タトゥーがリンパ節のがんである悪性リンパ腫のリスク因子になり得る、という新しい研究結果が発表された。悪性リンパ腫とはリンパ系組織から発生する悪性腫瘍で、免疫細胞が腫瘍に変わり、体内の調節作用とは関係なく増殖する疾患である。

 5月24日(現地時間)、スウェーデン・ルンド大学のクリステル・ニールセン博士の研究チームは、20-60歳の1万1905人を対象にタトゥーとリンパ腫の関連を調査した結果、タトゥーを入れた人は、タトゥーがない人に比べてリンパ腫の発症リスクが21%高いと発表した。特に、最初にタトゥーを入れた後2年間がリンパ腫発症リスクが最も高く、タトゥーを入れてから3-10年の間に発症リスクが低下したが、11年を過ぎると発症リスクが再び高くなった。

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 ただし、タトゥーの大きさはリンパ腫のリスクに影響を与えない。研究チームは「小さなチョウのタトゥーに比べ、全身タトゥーの場合、がん発症リスクが高いという仮説を立てたが、驚くべきことに、タトゥーを入れた体の表面の面積は重要ではないことが分かった」と説明した。

 研究チームは、タトゥーの大きさに関係なく身体に炎症を引き起こす可能性があると推測し、この炎症が最終的にがんを誘発する可能性があると見ている。ほとんどの人は若いころ初めてタトゥーを入れるが、これは人生のかなりの期間、発がん性化学物質を含むタトゥーのインク成分にさらされることを意味する。研究チームによると、タトゥーのインクが皮膚に注入されると、体は外部から侵入した異物であると解釈し、免疫システムが活性化され、インクの大部分は皮膚からリンパ節に運ばれ、そこで沈着する。

 研究チームは今後、タトゥーとほかの炎症性疾患や別のタイプのがんとの間に関連性があるかどうかを調べる予定だ。研究チームは「タトゥーによって自分のアイデンティティを表現したいと考える人がいるが、タトゥーが安全なのかどうか検証するのは非常に重要なこと」とした上で「タトゥーが健康に影響を及ぼす可能性があることを知って、タトゥーと関係があると思われる症状が出たら、すぐに医療関係者に相談すべきだ」と主張した。

 なお、この研究結果は「eClinicalMedicine」最新号に掲載された。

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