▲イラスト=UTOIMAGE

 停止したエレベーターに閉じ込められていた子どもたちを救出した韓国の消防隊員が、子どもたちに乱暴な言葉遣いで「出てこい」と言ったことに対し、ネット上ではさまざまな意見が交わされている。

 5日、あるインターネット・コミュニティー・サイトで「現在、インスタで大騒ぎになっている消防隊員様」というタイトルの動画がシェアされた。この動画には、停止したエレベーターに閉じ込められた子どもたちがしゃがんで救出を待っていると、ある消防隊員がエレベーターの外から強制的にドアをこじ開け、「出てこい」と言う様子が写っている。子どもたちは安堵(あんど)のため息をつきながらエレベーターを降り、消防隊員が腕を握って支える場面で終わる。

 この短い動画のうち、意外な部分を一部のネットユーザーが問題視した。消防隊員の子どもたちに対する言葉遣いを指摘し、不快感をあらわにしたのだ。ネットユーザーたちは「乱暴な言葉遣いはちょっとなあ」「懲戒処分にできないのか。なぜ乱暴な言葉遣いをするんだ」「子どもたちはいたずらをして閉じ込められたわけではない。なぜ不機嫌そうな口調で話すのか」「助けてくれたことは、ありがたいと言えばありがたいことなんだけど、言葉遣いはまた別の問題だ」などの考えを投稿した。

 だがその一方で、消防隊員を擁護する声も多かった。「消防隊員はサービス業ではない。助けてもらったらありがたいと思うべきだ」「ドアが開いたから『出てこい』と言ったんでしょ。他に何と言えばいいんですか」「子どもに丁寧でない言葉遣いをしたら『不愉快だ』と言う世の中はおかしい」「安全が最優先の状況で、親切な言葉遣いにまで気を使わなければならないのか」「実際に助けられた子どもたちは消防隊員を尊敬していることだろう。私が閉じ込められた子どもの立場だったとしても、言葉遣いがどうこうなどとは思わず、『助かった』としか思わないだろう」などの反応だった。

 この短い動画では救出前後の過程がカットされているため、「この場面だけでむやみに判断してはならない」という意見もあった。救出過程で消防隊員は既に子どもたちと十分コミュニケーションを取りながら話を交わした後、ドアを開けて「出てこい」と言う状況になったのかもしれない、ということだ。

 また、「緊急の状況では命令口調で指示するのが望ましい」というネットユーザーの意見もあった。そうしなければ緊急の状況に気付くのが遅れる可能性があるため、「短くてキッパリとした言葉の方が明確に直接伝わりやすい」という意見だ。

 全国公務員労働組合消防本部の関係者は本紙の取材に「一般的に消防隊員たちは現場では敬語を使う」とした上で、「このケースでは子どもたちが幼いので、もしこの消防隊員に子どもがいるならば、その子と同年代ということで気軽にそうした言葉遣いをした可能性もある」と語った。

イ・ヘジン記者

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