▲故キム・デチョルさんの納棺式を終えてキムさんの妻子が棺に入れた手紙。/韓国臓器組織寄贈院

 脳死状態に陥った元インラインスケート韓国代表のキム・デチョルさんが、臓器提供によって3人の命を救ってこの世を去った。韓国臓器組織寄贈院が5日、発表した。

 同院によると、脳死状態だったキム・デチョルさんは3月15日、カトリック大学恩平聖母病院で3人の患者に肝臓と左右の腎臓を提供し、44歳でこの世を去ったという。

 キムさんは甲状腺の手術を受けた後に手術部分が悪化し、2月13日に病院に救急搬送されたが搬送中に心肺停止となり、脳死状態に陥った。その後、キムさんの状態が徐々に悪化すると、家族はキムさんが人生の最後に誰かを救った善良な人として記憶されてほしいという思いから、臓器提供を決心した。

 家族はキムさんについて、「責任感が強く心の温かい人で、忙しい両親に変わってきょうだいの面倒をよく見ていた。困っている人を見かけると常に自ら近寄って手を差し伸べていた」と思い出を語った。キムさんはインラインスケートが好きで素質もあり、韓国代表としても活動した。大韓エクストリームスポーツ連盟の理事も務め、多くの人がインラインスケートなどのスポーツに関心を持つようさまざまな取り組みを行った。

 キムさんの妻のキム・ヨンヒさんは最後に「あなた、19年間一緒に分かち合った愛と幸せな思い出を忘れずに生きていくね。あなたと一緒に過ごした全ての瞬間が私たちにとってはプレゼントだった。天国で私たち家族みんなのことを守ってね。あなたは頼もしくて優しい最高のパパであり夫だった。愛してる」と呼び掛けた。

ク・アモ記者

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