【ソウル聯合ニュース】南北をつなぐ陸路の断絶に乗り出した北朝鮮が、韓国と北朝鮮南東部の景勝地、金剛山をつなぐ東海線鉄道の北側区間の線路を撤去する動きを見せている。韓国国家情報院(国情院)の関係者が5日、明らかにした。

 東海線鉄道の北側区間は、南北の軍事境界線(MDL)より北の金剛山駅(金剛山青年駅)までの区間だ。 

 韓国と北朝鮮は2000年6月の南北首脳会談で、分断により断絶されていた西側の京義線と東側の東海線の南北連結で合意し、建設工事を進めた。東海線は韓国側の猪津駅から北朝鮮側の金剛山駅までの区間を復元・連結するもので、北朝鮮側の区間工事には韓国側が装備や資材を提供した。

 07年5月には半世紀ぶりにMDLを通過する南北列車の試験運行も行われた。

 だが、その後この区間は使用されず、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代の18年4月に行われた南北首脳会談で鉄道連結と近代化事業を進めることで合意したが、実質的な進展はなかった。

 北朝鮮側が東海線の線路撤去に乗り出したのは、鉄道を含めた南北間の物理的連結を完全に断ち切ろうとする作業の一環とみられる。今後、京義線鉄道連結区間の北側区間(開城駅~軍事境界線)の線路を撤去しようとする可能性もある。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は今年1月、最高人民会議(国会に相当)の演説で「境界地域のあらゆる北南(南北)連携条件を徹底して分離させるための段階別措置を厳格に実施しなければならない」と指示した。

 その後、南北をつなぐ道路の京義線、東海線に地雷を埋設し、街灯を撤去するなどの動きが捉えられた。

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