【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室の国家安保室は3日、国家安全保障会議(NSC)実務調整会議を開き、南北間の相互信頼が回復するまで南北軍事合意の効力を全面的に停止する案件を4日の閣議にかけることを決めたと発表した。同合意は南北が緊張緩和のため2018年に結んだもので、軍事的な敵対行為をしないことを柱としている。

 会議出席者たちは、北朝鮮の相次ぐ挑発により韓国国民が実質的な被害と威嚇を受ける状況ですでに有名無実化した南北軍事合意が韓国軍の準備体制の妨げになると判断した。

 閣議で南北軍事合意の効力が停止されれば、軍事境界線一帯での軍事訓練が可能となるほか、北朝鮮の挑発に対する十分かつ即時の措置が可能になると、国家安保室は評価した。今後、北朝鮮が挑発を続ける場合、これに相応するさらなる措置を取るという。

 国家安保室は「今回の措置は韓国の法が定める手続きによる正当かつ合法的なもの。政府はわが国民の生命と安全を守るために必要なあらゆる措置を講じる」と強調した。

 北朝鮮は先月から2回にわたりごみなどの汚物をぶら下げた風船を韓国に向けて飛ばした。また、韓国側の全地球測位システム(GPS)利用を妨害するための電波を発信したほか、朝鮮半島東の東海に向け短距離弾道ミサイル(SRBM)18発を発射する武力示威も行った。

 韓国は北朝鮮の相次ぐ挑発への対抗措置として、拡声器による対北朝鮮放送の再開を検討している。同放送は最前線の北朝鮮軍兵士に与える心理的影響が大きいとされる。放送を再開するためには南北軍事合意の効力停止が必要だ。

 北朝鮮はこれまで南北軍事合意に違反して挑発を続けてきており、昨年11月には合意の全面破棄を宣言している。韓国政府も効力の一部停止措置を取ったことがある。

 

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