▲バーニングサン事件当時「警察総長」と呼ばれたユン・ギュグン総警/聯合ニュース

 韓国芸能界や政財界を巻き込んだ「バーニングサン事件」当時、「警察総長」と呼ばれていたユン・ギュグン総警(55・日本の警視正に相当)が28日、ソウル警察庁の閑職である治安指導官に異動したことが分かった。治安指導官は通常、昇進者が異動発令前に務めるか、退任を控えた総警クラスの人物が就くポストだ。ユン総警が今年2月からソウル松坡警察署の犯罪予防対応課長を務めている事実が明らかになり、論議を呼んだことを受け、警察庁が否定的な世論を収拾するために異動を決めたとみられる。

 松坡署は警務官が署長を務めるソウルの重要警察署2カ所に含まれる。犯罪予防対応課長は、112番の治安関連通報や犯罪予防などを統括する部署のトップだ。

 最近BBCがバーニングサン事件を再検証するドキュメンタリーを放送し、当時被疑者の背後にいるという疑惑を受け、職務を解除されたユン総警が再び華麗に復帰したという論議が膨らんだ。ユン総警はバーニングサン事件で元BIGBANGのV.I(スンリ)などによる芸能人同士のグループチャットで「警察総長」と呼ばれた人物だ。ユン総警は会社経営者から得た未公開情報で株式を取引した資本市場法違反、会社経営者に携帯電話のメッセージを削除させた証拠隠滅教唆の罪にも問われた。2021年5月、ソウル高裁は証拠隠滅教唆など起訴事実の一部を有罪とし、大法院で同年、罰金2000万ウォン(約230万円)が確定した。現行法によれば、警察公務員は禁錮以上の刑が確定した場合でなければ免職とならないため、ユン総警は職を維持することができた。

 ユン総警は2017年7月、警察病院総務課長として在職中、当時の女性職員にカラオケ会合への参加を強要するなど「パワハラ」疑惑でも告発された。しかし、警察庁は最近、嫌疑なしで捜査を終結させた。

 警察庁関係者は「議論が激しくなったため、警察指導部が決断を下した形だ。ユン総警の今回の発令は異例で事実上左遷だ」と述べた。

朱亨植(チュ・ヒョンシク)記者

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