コラム
韓中日首脳会議 韓日との協力に一線を引いた中国の態度は残念【朝鮮日報コラム】
態度は尊大で、温度差は大きく、協力に対しては一線を引いた。
5月27日にソウルで開催された9回目の韓中日首脳会議で、中国が見せた態度を一行に要約すると、こうなる。今回の会談は4年以上途絶えていた3カ国の対話チャンネルの復元と、行き詰まっていた韓中関係に風穴を開けた点で大きな意味があるが、韓国と日本に対する中国の戦略も隠れている。
まず、中国側は今回の会議で尊大な態度を見せた。慣例だとはいえ、序列1位の習近平国家主席ではなく序列2位の李強首相が出席し、滞在時間は丸一日をやや超える程度の短い時間だった。さらに、李強首相の訪問は「公式来韓」ではなく、会議出席という形態だった。2015年に前任の李克強首相が3カ国首脳会議をきっかけに韓国を公式訪問し、三日間にわたって多忙なスケジュールをこなしたのとは対照的だ。会議翌日の28日、中国紙・人民日報の1面には、中国・アラブ諸国協力フォーラムが大きく掲載され、3カ国首脳会議の写真は李強首相単独の写真になっていた。
韓国と日本、それぞれに対する中国の態度にも大きな温度差があった。27日付の人民日報は、1面に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と李強首相の二者会談の記事を掲載した一方で、岸田文雄首相の記事は2面扱いだった。通常はこのような行事があった場合、同じページに韓国と日本の両首相に関する記事を並べて掲載するものだ。また、李強首相は尹大統領との会談では経済交流の拡大に言及したが、日本側には福島の汚染処理水、台湾問題などの話題を持ち出して対抗的な姿勢を見せた。
中国は、韓国に優先的に手を差し出すことで、韓日関係を引き裂こうとしているのではないだろうか。あいにく、かつて韓中関係は韓日関係の変化に影響される形で関係悪化と改善を繰り返してきた。これは、中国が「韓日関係の改善」を「韓米日の枠組みの強化」と捉えているからだと考える。実際に、かつて朴槿恵(パク・クンヘ)政権で韓日が慰安婦合意に漕ぎ付けた時も、中国国営メディアの反韓基調は相当なものだった。北京の外交関係者の間には「日本に対する恨みが韓中関係を司っている」という昔からの冗談があるが、中国政府が韓国に求めるのは、「初心」を忘れず日本と米国を引き離し、米中関係のバランサーになれということだ。
さらに残念だったのは、中国が韓国・日本との協力に応じない姿勢を明らかにしたという点だ。今回の会議では、北東アジアの安全保障にとって重要な問題である北朝鮮とロシアの武器取引については話し合われず、北朝鮮の非核化という目標についても合意できなかった。中国だけ歯車がかみ合わず、3カ国の議論が安全保障の面では後退してしまったのだ。こうした中、李強首相が韓中日の協力に関して打ち出した五つの提案は、互いの核心的利益の尊重、産業チェーンとサプライチェーン(供給網)の安定化、技術革新での協力、人文交流の拡大、気候変動というもので、いずれも共同の課題への対応だった。中国としては、「台湾問題には触れるな」「米国主導の半導体サプライチェーンには同調するな」、そう主張しているのだ。中国の経済的孤立を防いでほしいと言いながら、地域の安全保障と北朝鮮問題については聞く耳を持たないのなら、残念としか言いようがない。
韓中日の指導者たちが再び顔を合わせたのは明らかに歓迎すべきことだが、越えなければならない山が多すぎるという事実をあらためて確認させられる場だった。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員