裁判
「元秘書に性的暴行」安熙正・元忠清南道知事に8347万ウォンの賠償命じる判決
忠清南道と安熙正(アン・ヒジョン)元知事に対し、元知事から性的暴行を受けた元秘書キム・ジウンさんに8347万ウォン(約960万円)の賠償を命じる判決が下された。
ソウル中央地裁民事22部(崔旭鎮〈チェ・ウクチン〉裁判長)は24日、キム・ジウンさんが安熙正元知事らを相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、「安・元知事と忠清南道は共に8347万ウォンを賠償せよ」との判決を下した。キム・ジウンさんが2020年7月に同訴訟を起こしてから3年10カ月を経ての判決だ。
安熙正・元知事の性的暴行事件は、キム・ジウンさんが2018年3月にある番組に出演して被害を訴えたことに端を発する。安熙正・元知事は2017年7月から翌年2月にかけて随行秘書だったキム・ジウンさんに対して数回にわたり性的暴行およびセクハラ(性的嫌がらせ)をしたとして起訴され、2019年に大法院(日本の最高裁判所に相当)で懲役3年6月が確定、2022年8月に満期出所した。キム・ジウンさんは同事件の捜査と裁判の過程で心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの二次被害を受けたとして、安熙正・元知事らを相手取り3億ウォンの損害賠償請求訴訟を起こした。
同地裁は「身体鑑定によると、安熙正・元知事と忠清南道の違法行為でキム・ジウンさんにPTSDが発生したと考えられる」と判決理由を述べた。安熙正・元知事の元配偶者が行ったキム・ジウンさんに対する二次加害を、安・元知事がほう助した責任があるということだ。同地裁はまた、「安熙正・元知事の犯行は公務員の職務遂行と関連があるため、忠清南道にも賠償責任がある」と判断した。この裁判が遅れたのは、キム・ジウンさんのPTSDを立証するための医療鑑定が遅れたためだ。
キム・ジウンさんはこの判決後、韓国性暴力相談所を通じ、「これまで性的暴行被害を受けても苦痛の時間を取り戻せなかった多くの方々にとって、小さな希望になることを願う。最後まで闘う」とコメントした。
パク・カンヒョン記者