▲イラスト=UTOIMAGE

 豪華マンションを数戸所有し、ブランド品を見せびらかすなど、「金持ち自慢」で有名になった中国人インフルエンサーの交流サイト(SNS)全アカウントが突然、閉鎖された。「観察者網」などの中国メディアが23日に報道した。

 報道によると、フォロワー約440万人を抱えるインフルエンサー「王紅権星」の中国版TikTok(ティックトック)「抖音(ドウイン)」アカウントが21日に突然閉鎖されたという。それだけでなく、中国版X(エックス)の「微博(ウェイボー)」や中国版インスタグラムの「小紅書(シャオホンシュー)」など、他のSNSでも「王紅権星」のアカウントが検索できなくなっている。

 1993年生まれの「王紅権星」は、これまで自身の莫大(ばくだい)な富を誇るインフルエンサーとして人気を集めてきた。同氏は「北京の豪華マンションに7戸の家を所有し、そのうち広さ300坪の1戸は日当たりが良くないからほったらかしている」と言った。また、インタビューでは「ブランド品の服などを1000万人民元(約2億2000万円)分以上身につけないと外に出ない」とも発言していた。

 抖音では「王紅権星」のアカウントを閉鎖した理由について、「コミュニティーの自律協約関連規定に違反したため」と説明している。今月15日に抖音をはじめとする中国のSNSでは「享楽贅沢」「富の誇示」など、健全でない価値観を持つコンテンツの流布を厳しく禁止するという内容の共同告知文を出していた。それ以降、大量の関連コンテンツを削除したり、アカウントを閉鎖したりする作業に着手している。

 このような措置は、中国の習近平国家主席が掲げた「共同富裕(共に豊かに暮らそう)」という格差是正を呼びかけるスローガンと関連があるとみられている。米セント・トーマス大学の葉耀元教授は米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)で、「中国がこのような取り締まりに乗り出したのは、共同富裕方針に反するためだ。中国経済が不況に陥っている中、一部の人々による『富の誇示』で若い貧困層の『剥奪感』が膨らんでおり、その怒りが政府に集中する恐れがあるからだ」と語った。

ムン・ジヨン記者

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