社説
文在寅前大統領一家と青瓦台職員の金銭取引は正常と言えるのか【5月24日付社説】
文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘ダヘ氏が青瓦台(大統領府)勤務職員らと随時、金銭取引をしていた事実が明らかになった。文前大統領の元娘婿の「タイ・イースター・ジェット特別採用事件」を捜査中の検察は、ダヘ氏が警護処職員に現金数千万ウォン(数百万円)を数回にわたり渡していた明細を確保した。この職員は2018-20年にダヘ氏一家がタイに移住した時、警護を担っていたという。
ダヘ氏はまた、母親(文前大統領の妻)・金正淑(キム・ジョンスク)夫人がひいきにしているデザイナーの娘であり総務秘書官室の事務職員だったヤン氏や、兪松和(ユ・ソンファ)元青瓦台春秋館長から数回にわたり送金してもらっていた。兪松和元館長は大統領の配偶者を担当する第2付属室秘書官で、金正淑夫人が買い物に行く際は紙袋に現金を入れ、代わりに支払いをしていたという。ヤン氏はフランス国籍で、金正淑夫人の衣装・儀典を担当しながら、父親の海外ブランド事業にも関与しており、特別採用・違法兼職疑惑が浮上している。
大統領の娘と青瓦台職員間の金銭取引は不適切で、前例もほとんどないことだ。親が娘に渡す私費なら、あえて職員を通してやりとりする理由はない。ヤン氏は勤務当時、「大韓民国上位1%のVVIP専属個人スタイリストとして世界50カ国以上の公式訪問に同行する」と就職サイトで青瓦台での勤務実態を明かしたのにもかかわらず、制裁を受けていない人物だ。
ダヘ氏の元夫(文前大統領の元娘婿)は2018年にタイに移住した後、韓国の格安航空会社(LCC)「イースター航空」が支払いを保証した会社に役員として採用された。同夫妻の子は年に数千万ウォンかかるインターナショナルスクールに通っていた。彼らがなぜ海外に行き、どのような金で生活していたのかが問題になったが、文前大統領は何の説明もしなかった。彼らの移住を手助けしたイースター航空創業者・李相稷(イ・サンジク)元議員=元・共に民主党=は公共機関トップや国会議員を務め、数百億ウォン台の横領犯罪に関わりながらも1年以上、まともに捜査を受けていなかった。不透明な部分が多々あるのにもかかわらず、何の釈明もないまま握りつぶされようとしている。