▲2018年11月17日、当時の文在寅大統領の金正淑夫人が、ウッタル・プラデーシュ州アグラのタージ・マハルを訪れて建物を見て回っている様子。/NEWSIS

 【NEWSIS】韓国政府が、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の2018年に行われた金正淑(キム・ジョンスク)大統領夫人のインド訪問は、韓国政府側の考えに基づいてインド政府から招請状を送ってきたものだと明かした。文・前大統領が回顧録で明かした訪印の背景とは違っている。

 20日に韓国外交部(省に相当。以下同じ)が明らかにしたところによると、当初インド政府は、2018年11月の許皇后記念公園着工式とディワリ祭典に、当時の康京和(カン・ギョンファ)外相を招請した。

 しかし韓国側は、他の外交日程で康外相の出席は困難な状況であることをインド側に通知し、その後、インド政府は文化体育観光部の都鍾煥(ト・ジョンファン)長官を再度招請した。

 韓国側は、都長官の出席を進める過程で、金夫人が一緒にインドを訪問する案を検討中であることをインド政府に説明し、ここでインド首相名義の招請状を送付してきた-というのが外交部側の説明だ。

 韓国外交部の当局者は「2022年10月に明らかにしたように、当初インド側は韓国外相を招請した」とし「その後、インド側の招請に基づいて文体相が行事に出席する形で進めたことがある。その過程で大統領夫人が一緒に訪印する案を検討中だと説明すると、インド側が首相名義の招請状を送ってきた」と説明した。

 韓国外交部はまた、外交部出張者に対してのみ旅費を支給したものであって、金夫人訪印関連の予算は文体部で編成・支出したとした。この当局者は「金夫人訪印イベントの推進部処(省庁に相当)である文化体育観光部で関連予算を編成および支出した」と伝えた。

 先に文・前大統領は、対談形式の回顧録『辺境から中心へ』において、2018年の金夫人のインド訪問に言及しつつ「当時モディ首相が、許皇后記念公園造成計画を説明する際、開場時にはぜひまた来てほしいと招請した。私としてはインドをまた訪れるのは難しいと悩んでいたら、インド側から『それなら夫人を代わりに送ってほしい』と招請し、妻が代わりに開場行事に出席した」と明かしていた。

 さらに文・前大統領は「この話を詳しく述べる理由は、今までも妻が国費で観光旅行をしたかのように悪意的に歪曲(わいきょく)する人がいるから」とし、当時の金夫人のインド訪問を「(配偶者の)初の単独外交」だと評価した。

 これまで、金夫人の単独インド訪問は不適切なものではないかとする現与党側や市民団体などの批判が出て、論争が起きていた。

 文・前大統領がこの論争についての自らの立場を明らかにしたのは初めてで、当該訪問は外遊のような出張ではなくインド政府の招請に基づく公式な外交活動であったことを強調した。

ピョン・ヘジョン記者

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