日本政府は韓国のネイバーにLINEヤフーの株式を処分するよう圧力をかけている。日本の総務省は昨年、個人情報約52万件が流出したLINEヤフーに再発防止を促す行政指導を下し、「委託先(ネイバー)からの資本的支配を相当水準受ける関係の見直し」を指示した後、株式売却を要求した。

 日本の「国民的メッセンジャー」である「LINE」の運営会社LINEヤフーには、韓国のネイバーと日本のソフトバンクが持ち株会社(Aホールディングス)を通じ折半出資している。「LINEヤフー問題」の真実は何であり、利害関係者はどう考えているのだろうか。質疑応答形式でまとめた。

Q1. 日本の総務省がネイバーに株式を売却するよう圧力をかけているのか。

 日本の総務省は今年3月、LINEヤフーに下した行政指導について、直接的な株式売却要求ではないとの立場だ。しかし、「委託先(ネイバー)から資本的支配を相当水準受ける関係の見直し」は、株式売却要求としか解釈できないというのが一般的見解だ。実際にソフトバンクはネイバーに株式売却を要請した。こうした事実が日本のマスコミなどによって報じられ、議論を呼ぶと、日本政府当局者は「(行政指導は)経営権の観点から下したものではない」という立場を明らかにしている。

 ビジネスの世界で共同経営をしていた企業が協業を破棄し、自分の利益を極大化するために相手を攻撃した例は少なくない。ネイバーとソフトバンクも共同経営の過程で対立があったと伝えられている。日本政府の介入が非難されるのは、企業間交渉が進んでいる状況で、自国企業に一方的に肩入れして介入を行ったためだ。そんな日本政府の行動に対し、韓国政府は国益が絡む問題として対応すべきだったとの指摘だ。感情的な反日とは異なる。

Q2. ここまで来て介入はなかったというのか

 日本政府当局者の発言は曖昧な側面が目立つ。日本で内閣ナンバー2の林芳正官房長官は7日、「セキュリティーガバナンスの見直しにはさまざまな方法があり得る」と発言したのが好例だ。

 LINEヤフーは最近、独自のシステムを構築し、問題となったネイバーとの委託関係を全て終了すると発表した。「ネイバーを通じた個人情報流出」は今後発生する可能性が「ゼロ」になった。日本政府が現時点で「委託関係終了の方針を受け入れる。ネイバーとの資本関係見直し(売却)要求はもう意味がない」と表明すれば、「株式売却圧力」論争は沈静化するとみられるにもかかわらず、そうした発言は聞こえてこない。

Q3. 韓国政府の立場は?

 韓国政府は「ネイバーの意思決定を待っている」との立場だ。ネイバーが株式売却の是非を先に決めなければ、政府がどう支援すべきか判断できないとの論理で、直接介入は見送った。消極的な対応に批判が起きると、科学技術情報通信部次官が10日、「不当な措置に断固として強力に対応する」として初めて公式な反応を示した。

 だが、政府内部には「株式売却を念頭に置いて交渉中の特定企業を政府が進んで助ける必要があるのか」との声もあるという。特に尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が関係改善に力を入れてきた韓日関係が、この一件でこじれることを懸念している。

Q4. ネイバーはどうしたいのか

 当初ネイバーはLINEヤフーに対する持ち株を維持しながら、セキュリティー問題を解決し、日本政府の信頼を回復することが「優先的な戦略」だった。ソフトバンクとの提携は期待ほど相乗効果を生まなかったが、依然として成長可能性があり、台湾・東南アジアなど海外進出の足がかりになるためだ。現在は株式売却の方向に傾いていることが分かった。日本政府の要求を無視すれば、ウェブトゥーン、電子商取引(EC)など別の日本事業が打撃を受けてしまうからだ。

 現実的にネイバーにとって最善の選択は、株式をソフトバンクに最大限高く譲渡し、台湾・東南アジアなどLINEの海外事業を守ることだ。それを目標に計算機をたたいているが、計算が複雑で、交渉は7月まで続く可能性が高い。ネイバーはどんな結論が出るにせよ、交渉結果がネイバーの悪材料として認識されることを恐れている。それによって株価が下がり、経営的判断を誤ったという株主の批判が高まることを懸念している。

Q5. ネイバーが持分を売却しなければならないならば、争点は何か。

 ネイバーが保有しているLINEヤフーの株式は約32%(Aホールディングスによる保有株式64.5%の半分)だ。東京証券取引所に上場されたLINEヤフーの時価総額は13日現在で約2兆8500億円で、ネイバーが保有しているLINEヤフー株の価値は約8兆ウォン(約9200億円)だ。経営権に対するプレミアム(上乗せ分)が加わると、少なくとも10兆ウォン以上の価値があるとの分析もある。

 業界関係者はソフトバンクが以前からネイバー側の持ち株を獲得し、経営権を獲得しようと画策していたと話している。ソフトバンクにとっては、ネイバーの持ち株を全て買収しなくても、1株だけ買収すれば単独筆頭株主になり、経営権を掌握できる。そのため、ソフトバンクは最小限の株式のみを買い取りたい半面、ネイバーは最大限の株式を高く売ろうとしている。

東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員、ファン・ギュラク記者

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