▲写真=UTOIMAGE

 「中国人男性と結婚したい」というロシアの金髪美女を主人公にした動画が、海外の交流サイト(SNS)上に広まっている。しかし、この動画の女性たちは実在の人物ではなく、人工知能(AI)技術で作られたディープフェイク(画像・動画合成物)で、外国人を利用して中国の優越性を誇示し、中国の復興を宣伝するコンテンツとして使われている。

 これは、英紙エコノミストが9日(現地時間)、「中国に対する憧れを表す若いロシア女性たちが登場するこれらの動画はフェイクだ」と報道したものだ。SNS上に最近広まっている動画には、「ナターシャ」や「ソフィア」などと名乗る金髪美女のロシア人女性たちが登場する。女性たちは中国語を流ちょうに話し、中国を称賛し、「中国人男性と結婚したい」と話す。そして、「ロシアの男たちは酒に酔って怠けてばかりいる」と不平をこぼし、「中国人の夫のために洗濯し、子どもを産めば楽しいだろう」と言う。

 しかし、同紙は「この動画はAIを使って製作されたディープフェイクで、実際の動画の短いサンプルさえあれば、ダビングや動画編集ソフトで比較的簡単に作ることができる」と報じた。

 同紙によると、米国に留学しているウクライナ人女性のオルガ・ロイエクさんは、自身の顔がディープフェイクに利用されたのを見て衝撃を受けたという。ロイエクさんは自身の顔を盗んだアカウントを数十件発見したとして、「気持ち悪い。私の個人的自律性が侵害されたと感じた」と語った。

 ディープフェイク動画はSNSに投稿され、閲覧・再生回数は数十万回に達している。一部の動画は商品を売ったり、単に中国を美化したりするために使われている。しかし、調査が正式に始まったことで、このような動画はSNS上で見られなくなったとのことだ。中国当局は先月、「AIが生成したフェイク・コンテンツは表示を明確にしなければならない」という規定を発表している。

イ・ヘジン記者

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