▲イラスト=UTOIMAGE

 韓国の飲食店で食べ残した料理を持ち帰り用の容器に入れるよう頼んだ客が、店に断られるや、テーブルの上に料理をまき散らして店を出て行く様子が動画で公開された。この客は飲食代も支払っておらず、人々の怒りを買っている。

 先月29日、自営業者が集まるインターネット・コミュニティー・サイト「痛いから社長だ」に、「食い逃げに故意の料理テロまで…参った」というタイトルの投稿があった。

 飲食店を経営して8年目の自営業者だというこの投稿者は「あまりにも悔しくて、腹が立って、恥ずかしい気持ちになったので訴えたい。常識外れのことが起こるとは思わなかった。だが、実際にこういうことが起こってしまい、モヤモヤするし、訴えでもしなければ心が折れてしまいそうだ」と書いている。

 投稿者によると、経営する店にこのほど、男性2人がやって来たという。酒蒸しを注文し、料理を出して少し時間がたったころ、アルバイト店員に「酒蒸しを(持ち帰り用の)容器に入れてほしい」と言ってきた。

 投稿者の店では生鮮食品を扱っている特性上、デリバリーや持ち帰りをしていないという。このため、アルバイト店員はこうした事情を客に説明したが、客は「経営者を呼んでこい」と要求した。

 そして、客は投稿者に「なぜ持ち帰り容器に入れられないのか」と聞いた。これに対して投稿者は「お持ち帰りやデリバリーはしておりません。それでもご希望でしたら、ビニール袋にお入れします。申し訳ありません」と言った。すると、この客は「オレにビニール袋を持って歩けというのか。ビニール袋だって?」と不満げな様子を見せた。それでも投稿者は「ビニール袋にお入れします」と言って、この場を離れた。

 投稿者がテーブルを離れてから1分もたたないうちに、客のうち1人が酒蒸しをテーブルにわざとまき散らした。もう1人はそれと同時に自分たちの持ち物を手に去って行ったという。会計は済んでいない状態だった。

 投稿者が公開した防犯カメラ映像には、当時の状況がそのまま映っていた。明るい色の服を着た男性がテーブルの真ん中にあった酒蒸しの器を持ち、テーブルの上にゆっくりとまき散らした後、空の器をテーブルに置いた。向かい合って座った男性は、その間に帽子をかぶって持ち物を手にし、2人はすぐに席を離れた。

 投稿者は「(客は)店を指しながら会計に関する話をしていたように見えるが、そのまま立ち去った。これまで数回、食い逃げがあったが、それについては仕方ないと解釈してきた。酔っていたかもしれないし、うっかりしていたかもしれないと思ったからだ。しかし、今回はあまりにも恥ずかしく、心が折れる」と書いた。

 その上で、「景気低迷でめっきり客が減り、物価が上昇しても『より良いサービスと良い料理を提供すれば良くなるだろう』と粘り強く耐えてきた心が、一瞬にして崩れた。(会計は)うっかりしたのかもしれない。だが、笑いながら、自分の服に飛び散らないように慎重に、そしてわざと器をひっくり返して料理をまき散らし、自分の服をはたいていくあなたの姿を見ていると恥ずかしい」と書いた。

 最後に、この投稿者は「悪い客だ。本当にこんなことはすべきではない。この文を読んだら心から謝罪してほしい」と書いて投稿を締めくくった。

 この投稿を読んだ自営業者たちは「ひどすぎる。なぜ器をひっくり返して料理をテーブルの上にまいていくのか。本当に腹が立つ」「カスハラ(カスタマーハラスメント)中のカスハラだ」「食い逃げだけでも警察に通報すべきだ」などのコメントを寄せている。

キム・ジャア記者

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