▲写真提供=スターシップ・エンターテインメント

 ガールズグループIVE(アイヴ)の新曲『HEYA』のミュージックビデオ(MV)が、中国ネットユーザーによる悪質コメント攻撃を受けている。今回のMVはステージから衣装のコンセプトに至るまで韓国の伝統的な色彩で構成されているが、これが中国のネットユーザーらから「中国の文化を盗んだ」と過激な批判を浴びているのだ。

 IVEの所属事務所STARSHIPエンターテインメントは24日、YouTubeなど公式SNS(交流サイト)で、IVEの2nd ミニアルバム『IVE SWITCH』に収録されるタイトル曲『HEYA』のMVのティーザー映像を公開。この映像は30日午前11時までに150万回以上再生された。

 公開された17秒ほどのティーザー映像は、青い巻物が両側に開くところから始まる。メンバーたちは顔を覆うような三角の帽子を被ってトラの後を歩いていく。チョゴリ(韓国伝統衣装の上衣)を活用したトップスに、伝統的なアクセサリー「ノリゲ」を着けるなど、東洋的な衣装をまとっている。東洋画でよく見られる絵や扇子、ノリゲなど、伝統的なアイテムが随所に使われている。太陽の周りを回るトラの様子は「太陽を愛したトラ」の話を思わせる。

 IVEのメンバー、アン・ユジンは「『HEYA』で韓国風のMVを撮影し、そういう衣装を準備したのは非常に意味があったし、準備する過程は楽しかった」「多くのファンの皆さん、特に世界のファンの方々にもたくさん注目してもらえたらうれしいです」と紹介した。

 ところが、中国の一部ネットユーザーは、YouTubeのティーザー映像に「中国の画風をパクった」と悪質なコメントを寄せている。

 中国のネットユーザーらは、MVに登場する水墨画風のイラストや巻物、祥雲、ノリゲの組紐飾り、扇子などが全て中国に由来すると主張した。さらに「祥雲は古代中国の神話や伝説、歴史文化に関連がある上、冒頭部分の巻物も中国の伝統文化の一部であり、中国で最も古い書物の形態の一つだ」として「ヘアアクセサリーとして中国の組紐を使っており、ステージ上で表現されている山の絵も韓国にはない風景で、中国南部でしか見られないものだ」と主張した。

 さらに、中国の一部ネットユーザーは「IVEが自ら中国の伝統的な美術文化をPRしてくれて感謝する」「MV全体が中国文化で埋め尽くされているのが一目で分かった」「古代中国の伝統と考えられてきたものを韓国が使っているのだ。中国文化の真の本質を探究している」などと皮肉った。

 中国のネットユーザーらはまた、MVの中のイラストを描いた作家のインスタグラムにまで非難のコメントを浴びせている。「文化的劣等感があるからといって中国の伝統文化を盗むな」などのコメントだ。これに対し、韓国のネットユーザーらも反論し、コメント欄はまるで戦場のようになっている。

 韓国のネットユーザーらは「K-POPに対する劣等感がひどいのかな」「韓国側がきれいでスゴいものを作ると、必ず中国のものだと言い張るよね」「同じ東洋文化圏だから似たような部分が多いはずで、それぞれの国が独自の発展を始めた時期から違いが出てくる。だから(これは)韓国風」「百歩譲って『東洋風』と言ってもいいけど、どうして東洋風イコール中国ってことになるんだ?」「中華思想にまみれていて他のアジア諸国には文化がないと考えているようだ」などの反応を見せた。

イ・ヘジン記者

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