「北京国際モーターショー」の小▲米ブースに展示された電気自動車モデル「SU7」/北京=李伐飡特派員

 「ベンツ、BMW、アウディにも学ぶ点があるが、知能技術は小米(シャオミ)の電気自動車(EV)『SU7』のほうが一枚上だ」

 中国の大手テクノロジー企業、小米の雷軍・最高経営責任者(CEO)は4月25日午前、2024北京国際モーターショー(オートチャイナ2024)の会場を訪れ、先月発売した自社初のEVについてそう評した。雷CEOは「24日までにSU7️の注文台数が7万5723台を記録した。わずか4日で注文台数が5000台も増えた」とした上で、「今年末までにSU7を10万台以上納車し、小米のEVファンが一日も早く『ドリームカー』を運転できるようにしたい。EVスタートアップとして新記録を打ち立てたい」と強調した。さらに、「15~20年の努力を通じ、世界5大自動車メーカーとして成長したい」と抱負を明かした。

 SU7は小米が自動車業界への進出を宣言してから3年目に発売した最初のEVモデルだ。400社余りの国産EVブランドが競合する中国市場でポルシェのEV「タイカン」に似た外観、アップル製品との互換性、21万5900元(約466万円、基本モデル)いう低価格などを前面に掲げ、瞬く間にEV有力企業の列に加わった。EVがIT技術と結びつき、「動くスマートフォン」へと進化する傾向を読み取り、高い水準の人工知能(AI)音声・イメージ認識機能を提供しているのが強みだ。小米は来年上半期に純電動スポーツタイプ多目的車(SUV)を発売する計画であり、2026年には15万元前後の低価格EVモデルを投入するという。

 小米EVの人気を示すかのように、同日午前、北京国際モーターショーの小米ブースには入場の行列ができた。他のブランドのブースでは2~3分待てば展示車に乗ることができたが、小米ブースでは少なくとも30分待ちとなった。中国の自動車業界関係者は「IT界の恐竜である小米が中国のEV市場に定着し、中国のEV産業の生態系が再び拡大の機会を迎えた。中国製EVは技術力だけでなく、ブランド面でも世界の主な自動車メーカーに引けを取らない」と述べた。中国地場ブランドが同国の自動車市場で占めるシェアは、2014年の38.3%から昨年には55.9%に上昇した。

 中国EV業界首位の比亜迪汽車(BYDオート)は同日、電動スポーツカーモデルを公開し、プレミアム市場に挑戦状をたたきつけた。BYD傘下ブランド「方程豹(Formula Bao)」が披露したコンセプトカー「スーパー9」はランボルギーニ「ウラカン」に似ており、カメラに囲まれた。別のBYD系列ブランド「仰望(ヤンワン)」は高性能EV「U9」を披露した。このモデルはテスラの高性能モデル「Sプラッド」と近い性能を備えていると評価されている。BYDのブースは韓国の起亜、日本のホンダと並んで配置され、自動車市場における韓日中の新たな競争構図を象徴するようだった。

 4年ぶりに開催された北京国際モーターショーには、これまで中国市場の拡大に消極的だった全世界の自動車メーカーも大挙出展した。世界最大のEV市場に浮上した中国を攻略するため、再び中国に足を向けたのだ。昨年中国では全世界のEV販売台数の60%に迫る841万台が売れ、今年は前年比18.5%増の997万台の販売が予想されている。

 ポルシェはEV「タイカン」の中国市場向けモデルを公開した。メルセデス・ベンツはヘリテージSUV「Gクラス」の初のEVモデル「G580ウィズEQテクノロジー」を公開した。ベンツがEV専用ブランドである「EQ」の名称を外して発売する初モデルだ。BMWグループはEV「i4」の新モデルである「ニューBMWi4」を公開した。プレミアム小型車ブランドのミニ(MINI)は小型電気SUV「ニューミニエースマン」を出展した。起亜は準中型電気SUV「EV5ロングレンジ」の発表イベントをミュージカル形式で行った。今回のイベントで公開されたハイブリッド車、純EVなどの新エネルギー車(NEV)は470モデル余りに達する。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

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