社説
立法暴走専門の共に民主党が「多数党の暴挙」「反民主」などと抗議するなんて【4月30日付社説】
保守系与党「国民の力」が多数を占めるソウル市議会で学生人権条例が廃止されたことを受け、進歩(革新)系野党「共に民主党」所属の市議会議員らが「多数党の暴挙」「反民主的」だと批判した。ソウル市議会の構成は韓国国会とは正反対で、議員111人中75人が国民の力所属だ。3分の2を超えている。学生人権条例廃止案は、国民の力の市議会議員からなる特別委で議決され、国民の力出身の議長が緊急案件として本会議に上程し、国民の力所属の市議会議員だけが出席する中で可決された。民主党所属の市議会議員らは「両党の交渉団体の事前協議も、議会運営の基本手続きも全て踏みにじった」と批判した。
ところがこうしたことは、ソウル市議会よりもずっと広く、ずっと大きな影響を及ぼす韓国国会で、民主党がほぼ毎回のようにやっている。民主党は、韓国憲政史上初の選挙法単独処理をはじめ高位公職者犯罪捜査処の設置、検察捜査権完全剝奪、対北ビラ禁止法に至るまで、無数の立法暴走を繰り返した。その過程で、今回ソウル市議会で国民の力が行った手続きとは比較もできない反民主的かつ反議会的な事件が引き起こされた。偽装離党、会期分割、案件調整委の無力化などが日常化した。
民主党の立法暴走はほとんど全て、国民の力の議員らがいない中、単独処理したものだ。先の総選挙で圧勝するや、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が拒否権を行使した糧穀管理法も、一部の修辞だけを変えて本会議に再度上程した。「学生運動出身者セルフ特恵法」といわれる民主有功者法は、国民の力が委員長を務める法制司法委を迂回(うかい)するために本会議への直回付を一方的に処理した。新しい国会がまだ始まる前から、もう立法暴走を始めた。
最近、民主党の国会議長候補らは「国会議長は中立ではない」という発言を公々然と行っている。国会法が議長の党職保有を禁じているのは、最小限のバランスは保て、という趣旨だが、これを全く無視している。国会常任委員長のポストも独占したいという。民主党の戦略企画委員長は「協治という言葉を頭の中から消すべき」と言った。今後、民主党は、韓国国会でいまだかつて見られなかった反民主暴走をやるだろう。
ソウル市議会の国民の力単独処理は「横暴」「反民主」という批判の対象になり得る。だが、全ての人が皆このように批判するとしても、民主党だけはそうした批判ができない。その理由が何なのかは、民主党のソウル市議会議員が最もよく知っているだろう。