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慰安婦被害者侮辱の日本人被告公判 12年間出廷せず=傍聴人は「公訴取り消せ」
【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「少女像」に「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを縛りつけ、被害者らの名誉を毀損(きそん)した罪などに問われている日本人の男の公判が19日、ソウル中央地裁で開かれたが、男は出廷しなかった。
男は2012年6月にソウルの日本大使館前の少女像にくいを縛りつけて慰安婦被害者の名誉を毀損した罪で13年2月に在宅起訴された。だが、同年9月の初公判以降、一度も出廷していない。
この日の公判では傍聴人が「国民の意見を伝えたい」として発言権を得て、「名誉棄損が成立しないことは明らかだが、検察が男を起訴し、10年以上(公判を)続けている」と批判。「公訴を維持できないという事実を知りながら10年も続けていることは韓国司法の現実が相当後進的であり、国の恥だ」と述べた。そのうえで、「裁判官が公訴棄却の決定を下すか検察官が公訴を取り消すべきだ」と求めた。
裁判官は「参考にする」と答え、閉廷した。次回公判は来年3月に開かれる。
裁判所は男を国内に送還するため期限が切れた逮捕状を来月、最発付する方針だ。ただ、日本に滞在しているとされる男を送還し、身柄を拘束することは現実的に困難とみられる。