【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は16日に開かれた非公開の閣議と秘書官らとの会議で、10日に実施された総選挙で与党「国民の力」が惨敗したことについて、「大統領である私から誤った」として、「国民の意思をしっかり察し、受け入れることができず申し訳ない」と述べた。大統領室高官が明らかにした。

 総選挙(定数300)では与党「国民の力」と系列の比例政党「国民の未来」が計108議席にとどまった。最大野党「共に民主党」と同党が主導する野党陣営の比例政党「共に民主連合」が過半数を上回る計175議席を得て圧勝した。

 尹大統領はテレビ中継された閣議の冒頭発言で、「今回の総選挙で明らかになった民意を皆が謙虚に受け止めなければならない」として、「より低い姿勢とより柔軟な態度でより多くコミュニケーションを取り、私から民意に耳を傾ける」と強調。「就任後の2年間、国民だけを見て国益のための道を歩んできたが、国民の期待に及ばなかった」とし、「正しい国政の方向を定め、実践するために最善を尽くしたにもかかわらず、国民が体感できるほどの変化をつくるまでには及ばなかった」との認識を示した。そのうえで、「大きな枠組みでは国民のための政策といっても細かい部分で不足していた」と述べた。

 また、「国会とも緊密に協力しなければならない」として、「国民生活の安定のため必要な予算と法案は国会にしっかり説明し、より多くコミュニケーションしなければならない」と強調した。国会で過半数を占める野党の協力が必要との考えを示したものだが、直接は野党に言及しなかった。

 総選挙で与党が惨敗した後、尹大統領自らが立場を表明するのは初めて。

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