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尹大統領 総選挙敗北受け来週にも立場表明=首相・秘書室長交代か
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は10日に投開票された総選挙(定数300)で与党「国民の力」が敗北したことを受け、来週にも立場を表明する方針であることが12日、分かった。
大統領室関係者は聯合ニュースの取材に対し、「歴代大統領はこのような事案が起きた際はいかなる形式でも立場を表明した」として、「内容がまとまってから(発表を)行うと思う」と述べた。事態の重大性を踏まえ、今後の政権運営について慎重かつ具体的な内容を盛り込んで発表する考えとみられる。
尹大統領は総選挙翌日の11日に「国民の意思を謙虚に受け止め国政を刷新し、経済と国民の生活安定に向け最善を尽くす」と短い声明を出したが、発表は李官燮(イ・グァンソプ)大統領秘書室長が行った。
次回の発表には国民の声に耳を傾け、意思疎通を強化するという内容が盛り込まれる見通しだ。教育・年金・労働・医療改革など主な国政課題は目標を変更せず、政策の進捗(しんちょく)状況を詳細に伝え、国民の共感を得る方向で推進する立場を示すとみられる。
総選挙後、尹大統領の意思疎通不足への指摘が多く出たため、記者会見を開くことも検討しているもようだ。尹大統領は就任から100日となる2022年8月17日を最後に会見を行っていない。その後はメディアとのインタビューにしか応じていない。
尹大統領は人的刷新や組織改編に関する構想も明らかにする見通しだ。韓悳洙(ハン・ドクス)首相や大統領室高官らが一斉に辞意を表明している。ただ、後任を決めず辞意を受け入れる場合は国政運営に空白が生じかねないため、一部の辞意だけを受け入れて事態の収拾を図るとみられる。
韓首相は交代が有力視される。李秘書室長も更迭し、後任を任命すると予想される。首相と大統領秘書室長の候補には大統領に状況を的確に伝えるとともに、国会とのコミュニケーションが可能な政界の重鎮を起用する可能性がある。韓首相の後任には朱豪英(チュ・ホヨン)国会議員や権寧世(クォン・ヨンセ)議員、洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱市長、李柱栄(イ・ジュヨン)元国会副議長、李秘書室長の後任には張済元(チャン・ジェウォン)議員や李東官(イ・ドングァン)前放送通信委員長の名前が挙がっている。尹大統領と政務について随時意見交換を行うキム・ハンギル国民統合委員長は首相と秘書室長両方の候補に取り沙汰されている。
首相と秘書室長の人選が終われば、5~6人の閣僚を交代する可能性もある。民意を正確に伝えるため、民情首席秘書官のポストを復活させ、大統領室の中核組織である政務首席室と広報首席室の機能と権限を強化するなど、大統領室の組織改編も実施する可能性が高い。