経済総合
製造業中心に景気回復続くも「経済部門ごとにペース違う」=韓国政府報告書
【世宗聯合ニュース】韓国企画財政部は12日公表した経済動向報告書(グリーンブック)で、最近の韓国経済について「製造業の生産と輸出を中心に景気回復の流れと高い水準の就業率が続いている」との認識を示した。ただ「財貨消費の鈍化、建設先行指標の不振など、経済部門によって回復速度に差がある」と指摘した。
政府は先月のグリーンブックで「民間消費の鈍化、建設投資の不振」と指摘したが、今回は「財貨消費の鈍化、建設先行指標の不振」と、懸念材料を縮小した。内需に回復の兆しがあるとの見方が反映されたようだ。
製造業の生産と輸出は半導体を中心に回復傾向にある。2月の製造業生産は前年同月比5.1%増加し、7カ月連続プラスを記録した。3月の輸出額も前年同月比3.1%増と6カ月連続で伸びている。
一方、小売販売は昨年7月から今年1月まで減少し続けた後、2月は前年同月比プラスに転じたが、増加率は0.9%にとどまった。3月は百貨店でのクレジットカード使用額とディスカウントストアの売上高増加がプラス要因、国産自動車の販売台数減少がマイナス要因になると見込んだ。
原材料価格の動きも注目される。原油価格が上昇しており、その影響で韓国のガソリンと軽油も値上がりしている。3月の消費者物価指数をみても、石油類は前年同月比1.2%上がり、昨年1月以来の上昇に転じた。政府は地政学的リスクとこれに伴う原材料価格の変動性といった不確実性が続いていると指摘した。
3月の消費者物価は全体として前年同月比3.1%上昇した。2カ月連続の3%台で、政府は「物価鈍化の流れがやや停滞している」と述べた。中でも農産物が20.5%上昇した。
政府は「早急な物価安定へ総力を挙げて対応し、暮らしと内需の脆弱(ぜいじゃく)部門に行き渡らせるなど、バランスの取れた回復に注力する」と強調した。