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何もできない与党…尹政権任期5年間は「与小野大」のねじれ国会 韓国総選挙
10日投開票の韓国総選挙(定数300)で、地上波3局の出口調査により野党が圧勝するという予測が出ると、与党・国民の力内部では「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の5年間はずっと『与小野大』(野党が過半数のねじれ国会)になりそうだ。残りの3年間をどうするか」という懸念の声が上がった。尹政権は発足時からねじれ国会で任期が始まり、「女性家族部(省に相当)廃止」など大統領選挙公約を履行するための政府組織法処理を試みることすらできなかった。「黄色い封筒法」(労働組合法第2条と3条の改正案)や「放送3法」(放送法・放送文化振興法・韓国教育放送公社法改正案)など、圧倒的多数を占める野党が一方的に処理した法案を阻もうと、尹大統領は再議要求権(拒否権)を9回行使したが、その間に与野党の確執は極限に達した。今回の総選挙で新たに構成される第22代国会でも、ねじれ国会による与野党の対立はさらに深まるだろうという見方が出ている。
国民の力の内部では「絶対的な数字不足で立法権によりできることがない」「国民の目線に合う政党になるよう、整風運動(党を刷新するために過ちをただすこと)をしなければならない」という声が上がった。政府・与党が党の法案を自主的に通過させることもできないし、総選挙以降に政局の主導権を握ることもできず、野党に振り回されるしかないということだ。あるベテラン議員は「このままでは今までで最も無気力な与党にならざるを得ない。だからと言って、これを解決する手だてもない」と語った。前回の総選挙期間に発表した各種政策も空手形に終わるしかない。国民の力の党役員は「力もなくなり、公約も守れず、信頼まで失う悪循環に陥ることになった。現時点では逆転の切り札も思いつかない」と話した。
河泰慶(ハ・テギョン)議員は電話取材に対し、「残りの3年間、尹大統領は防御的な行政をするしかない。世論戦をうまくやり、何とかして悪法は通過させないようにしなければならないのでは。選挙の時だけ中道・青年などへの外延拡張を語るのではなく、今からでも党の体質を変えなければならない」としながらも、「大統領がやり方を変えなければ党が主導権を握るのは難しそうだ」と言った。
一部では、与党内で本格的に大統領と距離を置く状況が発生する可能性もあるともみられている。特に、今回の総選挙で党内に刷新の動きが出てきたことが注目されている。国民の力の関係者は「今回の総選挙をきっかけに、院内と院外を中心に2000年代初めの未来連帯のような刷新派、若手の集まりが作られる可能性もある」と語った。2001年に作られた未来連帯は、南景弼(ナム・ギョンピル)氏、元喜竜(ウォン・ヒリョン)氏、鄭柄国(チョン・ビョングク)氏の3人(3人の姓を取って「南元鄭」と呼ばれた)や、呉世勲(オ・セフン)ソウル市長らが関与して与党刷新の中心に立ち、その後の政権交替過程で中道層を引き込むのに重要な役割をした。
漢陽大学政治外交学科の金星洙(キム・ソンス)教授は「与党も尹政権と一線を画す姿勢を見せつつ、『我々は独断的なことはせず、野党と意思疎通を図り、和合しながら進むことができる』という姿を見せなければならない。そのためには与党に新たなリーダーシップを取り入れなければならない」と述べた。西江大学政治外交学科の李賢雨(イ・ヒョヌ)教授は「尹大統領が『民心がこの程度だとは思わなかった。国政運営のやり方を変える』と言うなら突破口は見いだせるだろうが、何もせずに「歴史が評価するだろう」などの態度を取るなら非常に絶望的だろう」と評した。
仁川市東・弥鄒忽選挙区の尹相現(ユン・サンヒョン)候補は出口調査発表直後、本紙の電話取材に対し、「今からでも嶺南(慶尚道)中心から首都圏中心の政党に生まれ変わらなければならない。党代表や院内代表などの指導部も首都圏出身の人々で構成し、首都圏に訴求できるビジョンと政策、イメージを提示すべきだ。与野党のベテランによる協議体も作り、これまで失われていた政治の機能を回復させなければならない」と述べた。
キム・スンジェ記者