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共に民主・李在明代表、激戦区応援で猛攻「尹大統領は聞き分けのない孫」「ムチで癖を直す」 韓国総選挙
【NEWSIS】最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は韓国国会議員総選挙(投票日4月10日)まであと五日となった5日、これまでの選挙で勝敗を左右してきた大田市や忠清道地域を回り、選挙戦終盤の票集めに自ら乗り出した。
李在明代表は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を「祖父のひげを引っ張る聞き分けのない孫」に例え、「ムチで癖を直さなければならない」と強い口調で批判した。
韓国中央選挙管理委員会が投票所内に長ネギを持参することを制限する有権者案内指針を通達したことについては、「(尹大統領の妻・金建希〈キム・ゴンヒ〉夫人の違法授受疑惑を象徴する)ディオールのバッグも持ち込ませないようにしなければならない」と反発した。長ネギ持ち込みとは、尹大統領が先月、大型スーパーを訪れた際、「875ウォン(約100円)なら合理的価格だ」と発言したことを皮肉ったものだ。韓国で最近物価が高騰している中、この値段は実際の値段とかけ離れていたため、スーパー側が大統領訪問時だけ値を下げたのではと騒動になった問題を象徴している。
李在明代表はこの日の最初のスケジュールで、大田市中区の韓国科学技術院(KAIST)の学生たちと期日前投票をし、「『口をふさがれた』KAISTの学生たちと一緒に科学技術の重要性や政府の政策の無知を指摘したかった」と言った。
これは、尹政権の研究開発(R&D)予算削減を指摘するのと同時に、今年2月にKAISTの卒業式で起きた過剰警護騒動を思い起こさせる言葉だ。
続いて大田市内で総集結演説を行い、忠清北道沃川郡・清州市、忠清南道天安市・公州市・保寧市など忠清道の激戦地を中心に6カ所を視察し、政権審判論を刺激した。
李在明代表は大田市のウヌンジョンイ文化通りで行われた演説で、「大田市と忠清道は韓半島(朝鮮半島)の政治でバランスウェイトの役割をしてきた。リトマス試験紙のようだとも言える。人々の生活は改善されただろうか。経済は発展しただろうか。民主主義はさらに良くなっただろうか」と問いかけた。
そして、「私の人生を壊し、権力と予算を国民の意思に反して行使すれば、責任を問われるべきではないだろうか」と声を荒らげた。
この日は期日前投票の初日だったことから、特に選挙管理問題を集中的に取り上げた。中央選管が同日、区・市・郡の選管に通達した「投票所抗議性嘆願予想事例別の案内事項」という内部指針で、「政府に抗議する意味で長ネギを持って投票所に行ってもいいか」という有権者の質問に、「公職選挙法に基づきこれを制限するようにする」との見解を表明したと報じられたためだ。
投票所で特定政党や候補者に抗議する政治行為をした場合、他の選挙人に影響を与えかねず、秘密投票の原則も崩れかねないというのが選管の見解だ。
李在明代表は忠清北道清州市西原区での演説で、選管が総選挙投票所内に長ネギ持ち込みを禁止したことを指摘し、「まずは地域の選挙公報に共に民主党候補の掲載漏れがあったことを注意すべきだ。それなのに、長ネギを投票所に持って行くのはダメだというのか。選管はやるべきことはやらないで、やってはならないことを実にたくさんやっている」と批判した。
その上で、「これはすべて政治に失敗したからだ。民主主義が退行しているということだ」と非難した。忠清南道保寧市での演説では、「じゃあ小ネギやディオールのバッグも持ち込ませないようにすべきではないか」と皮肉った。
また、李在明代表は尹大統領と国家情報院を狙って、政府が総選挙に介入する「官権選挙」をしているとも強弁した。
同代表はソウル市江南区開浦1洞などで姜清曦(カン・チョンヒ)候補(江南区乙選挙区)について選挙公報の掲載漏れがあったことを挙げて、「このようにおかしな作戦を使っているようだが、掲載漏れが数件発見されており、対応しているところだ。本当にあちこちでこのような問題が発生している。大統領からして官権選挙・不正選挙を事実上行っているのだから本当に問題だ」と主張した。
さらに、具体的な根拠は示さないまま、「国家情報院に気をつけなければならないという話もあちこちで聞く」と、国家情報院が選挙に介入している可能性を示唆し、「世の中がおかしな方向に変わっているのではないか」と言及した。
キム・ジウン記者、チョ・ジェワン記者