今年の米メジャーリーグ(MLB)開幕戦ワールドツアー・ソウル・シリーズが始まった3月20日、会場のソウル高尺スカイドームのグッズショップは午後3時のオープンから数千人の客が訪れた。ショップにはロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレス所属選手たちの名前や背番号が入ったユニフォーム、Tシャツ、帽子、ボールなどさまざまなグッズが販売されていた。客の多くは列に並んでドジャースの大谷翔平選手のユニフォームを最初に手に取り、また大谷選手のTシャツは最初に売り切れた。

 MLBファナティクスと契約し韓国でグッズ販売を手がけるヒョンジエリートのチェ・ジュンホ副会長はMLB関係者の話として「MLBで初めてソウルで開催された今回のシリーズは海外でのグッズ売り上げがこれまでで最も多かったそうだ」「特に大谷選手のような人気スターのグッズは商品が足りないほどだった」と語る。

 今年韓国のファッション業界ではユニクロの売り上げが1兆ウォン(現在のレートで約1100億円、以下同じ)を突破すると予想している。ユニクロを韓国で運営しているFRLコリアの2023会計年度(22年9月-23年8月)の売り上げは前年比30.9%増の9219億ウォン(約1040億円)、営業利益は前年比23.1%増の1412億ウォン(約159億円)を記録した。19年にも売上高1兆3780億ウォン(約1550億円)を記録したが、翌年の日本製品不買運動の影響で売り上げは半分に落ち込み赤字を記録した。それが22年から雰囲気が一気に変わった。

 衣料品から食品全般に至るまで「イエス・ジャパン」が一気に広がっている。最近はウォンに対しても円安が長期化している影響で日本を旅行する韓国人も増え、韓国国内でも日本製品に対する抵抗感が和らぎ親密度が高まったというのが業界関係者の見方だ。また価格競争力が高いため日本から直接購入するケースも増え続けている。

 韓国のコンビニでも最近は日本の菓子類がよく売れる。日本を旅行し日本の菓子を味わった消費者が韓国のコンビニでも日本の菓子を買い求めているのだ。韓国のセブンイレブンは最近日本で販売が好調な「ラングドシャ・ホワイト・チョコ」「ラングドシャ・チョコ」の販売を始めたが、これがセブンイレブンの菓子全体で一気に販売1位・2位となり、わずか1カ月で入荷した40万個が全て売り切れた。セブンイレブンの関係者によると、この2種類のラングドシャは予想以上に人気が高いことから、2回目の直接仕入れで確保した商品もすでに販売を開始したという。

 クーパンは日本から商品を素早く、直接購入する「ロケット直購サービス」を今月から開始した。日本旅行で味わった日清、明治、ルタオ、AGFの商品や菓子などを直接販売するという。また専科、ビオレ、PINOT、TSUBAKIなど日本のビューティーケア商品や日用品も取り扱う。旅行先で買えなかった日本のビューティーケア商品を直接購入できるサービスだ。石田やジョセフジョセフなどのキッチン用品、ゼブラ・三菱・ぺんてるなどのファンシー文具、家電やデジタル製品も割安で購入できる。サービス開始と同時に日清のカップヌードルやオリヒロ蒟蒻(こんにゃく)ゼリー、「日本のククダス」と呼ばれる白い恋人などはたちまち売り切れた。ハローキティなどバンダイのサンリオキャラクターズ入浴剤なども即座に品薄だ。韓国統計庁によると、昨年日本のオンライン通販サイトからの直接購入は前年比で11.0%増えた。

 日本のビールも輸入ビールで1位だ。一時不買運動で輸入が5分の1にまで減少したが、昨年は5年ぶりに1位に返り咲いた。韓国関税庁の貿易統計システムによると、昨年日本からのビール輸入額は5551万6000ドル(約84億1000万円)で前年比283.3%急増した。アサヒビールの生ジョッキ缶などが特に人気で、コンビニで日本のビール販売が好調なことも日本ビールの人気を後押しした。

 韓国市場に新たに進出する日本ブランドも増えている。「日本のイケア」と呼ばれる家具・インテリア用品小売り大手のニトリは昨年11月にソウル市城北区のEマート下月谷洞店に韓国1号店をオープンし、それから3カ月後の先月にはホームプラス永登補店に2号店をオープンした。ニトリは今年中に韓国で10店舗にまで拡大する計画だ。

宋恵真(ソン・ヘジン)記者

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