飲酒運転で事故を起こした車の確保に素早い判断で決定的な役割を果たしたタクシードライバーが話題だ。このドライバーは乗っていた客に「追跡するので危険ですから」という理由で降りてもらい、その後飲酒運転の車を2キロにわたり追跡しながら警察に状況を伝えていたという。

　京畿水原西部警察署が1日に明らかにした。それによると事件は2月28日深夜2時30分ごろ、水原市勧善区好梅実洞の行政福祉センター前のスクールゾーンで発生した。40代の女性ドライバーが運転する車が左折の際に歩道に突っ込み、標識などを破損したにもかかわらずそのまま逃走した。この様子をタクシードライバーの男性が目撃した。

　男性は直ちに警察に通報し、女性が住むマンションの地下駐車場まで約2キロにわたり車を追跡した。

　当時タクシーは1人の客を乗せていたが、問題の車が再び事故を起こす可能性が高いと考え乗客に了解を求めた上で途中で降りてもらい、警察に状況を説明しながら追跡を続けたという。男性は「これは捕まえねばならないと考え、客にすぐ降りてもらえるか尋ねたところ、追跡して捕まえてくださいと言ってくれた」「タクシーにとっては忙しい時間帯だったが、それが問題ではない。あの車が2回目、3回目の事故を起こさないか心配になって追跡した」と当時を振り返った。

　男性は犯人検挙に決定的な役割を果たしたとして警察から懸賞金が授与された。水原西部警察署のキム・ジェグァン署長は「仕事を後回しにして街の治安を守ってくれた市民に感謝する」「警察は全力を尽くして国民の平和な日常を守っていきたい」とコメントした。

　京畿南部警察庁は先月から国民の日常生活を守るため社会の共同体が力を合わせた事例を伝えるキャンペーン「平穏な日常を守る」を続けている。警察は市民や団体が犯人の検挙、犯罪の未然防止、人命救助などに貢献した事例、さらに警察が市民の安全を守るため現場で活躍した事例を重点的に知ってもらいたいとしている。支援を行った市民や団体に対しては表彰し懸賞金を授与すると同時に、またSNS（交流サイト）などでキャンペーンへの参加を幅広く呼びかけたいとしている。

パク・ソンミン記者