コラム
世界各地で醜態をさらす韓国語教育機関「ハングル学校」【コラム】
韓国の世界的地位が高まりを見せたことで、韓流ブームを巻き起こし、世界各地の韓国系同胞や韓国人コミュニティーもにぎわいを見せている。韓国料理や食材、文化商品を扱うブースでは、観光客が列を成し、現地人の「ホットプレース」として急浮上している。おかげで韓国人による店舗は規模が拡大し、支店を出すオーナーも増えてきた。見知らぬ海外で数多くの逆境を乗り越え、苦労して生活の基盤を築いてきた韓国人たちの苦労を思えば誇らしく、胸がいっぱいになる出来事と言える。
しかし、光があれば影もあるものだ。韓国人の商圏が拡大し、新事業に参入する人々も増えたことで、さまざまな葛藤を引き起こしている。同業者が近くに同じような売り場を出したり、他の店舗で働いていた人物に給料アップを持ち掛けて連れていき、同じメニューを作らせたりするなど、韓国でもよく見受けられる光景がそのまま展開されている。創業は多いものの、人材が不足しているため、留学生や不法滞在者を雇用しては「韓国式労働」を要求。互いの葛藤を招いている。結局、狭くなった韓国人社会で、毎日向き合わなければならない人々同士が互いの感情を損なうといった出来事が増えている。
最近では、韓国語教育機関である「ハングル学校」でも葛藤が生じている。欧州には2022年基準で29カ国に約110校が存在する。韓国人家庭はもちろんのこと、現地人の間でも韓国語ブームが巻き起こり、欧州各地にハングル学校が新しく設立されている。これにより、独占的地位を失い「競争」に追い込まれた一部の学校運営者の間で争いが生じている。「教えるのがうまい」など善なる競争につながればいいが、残念ながら韓国の学校外教育市場で見受けられた醜態がそのまま再現されている。競合校をけなし、評判を害するネガティブキャンペーンが出回っている上、何も知らない保護者や子どもたちには「学校を変えるな」と圧力を掛けたりもする。
一部の地域では、公務員までがこうした騒動の拡大に一役買っているという。ハングル学校を管理する派遣公務員が日ごろから学校運営者の接待を受け、便宜を図っていたという主張や、まるで認可に対する権利を握っているかのように近づき「政府の支援金を受け取れるようにするから、学校を一つ設立する」よう持ち掛けているといったうわさまで出回っている。結局、在米韓国人社会の垣根を越えて現地人からもこうしたうわさが持ち上がるようになり、韓国人に対する信頼が揺らいでいる。「中国や日本の学校ではこんなことがないのに、韓国人の学校ではなぜこうしたことが起こるのか」という話まで耳にした。
ハングル学校は、外交部(日本の省庁に相当)傘下の在外同胞財団が運営支援金を捻出し、教育部上がりの公務員を通じて管理されてきた。にもかかわらず、ハングル学校の運営を巡る騒動は今も絶えない。こうした苦情のため、駐在国の外交業務で日々忙しい外交官までが影響を受けているほどだ。ハングル学校の問題は、これまで国政監査でもあまり取り上げられてこなかった。手遅れになる前に、政府レベルで厳正な監督に乗り出してこそ、韓国に対する信頼低下を未然に防ぐことができるというものだ。