▲21日に行われた2026国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア2次予選で、タイと引き分けて落胆するイ・ガンイン=写真中央=と黄仁範(ファン・インボム)。写真=聯合ニュース

 1勝1敗3分。サッカー韓国代表チームの最近5試合の戦績だ。5試合とも対戦したのはヨーロッパの強豪ではなくアジアの国だけに、実に残念な結果だ。アジア・サッカー連盟(AFC)アジアカップ・カタール大会16強のサウジアラビア戦を除き、韓国は毎試合、ボール支配率が70%以上だった。3-3で引き分けたマレーシア戦は82%だった。それでも1勝しかできないということは、効率的な試合ができていなかったということだ。

 21日に行われたタイとの2026国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア2次予選C組第3戦でも、こうした問題点がそのまま浮き彫りになった。韓国はボール支配率78%で、タイの22%を圧倒的に上回っていた。シュート本数は25対6(枠内シュート8対2)、パスの精度も韓国の91%に対してタイは71%で、20%も高かった。その上、ホーム・ゲームというメリットがありながらも1-1の引き分けに終わった。その背景には細かい戦術の不足や決定力不足という問題点があった。

 タイが突然、前方にプレッシャーをかけてきたことで韓国は苦戦した。両ウィングのソン・フンミン(31)=トッテナム・ホットスパー=や鄭優営(チョン・ウヨン、24)=シュトゥットガルト=にボールが届かず、中央にとどまった。試合中盤になってようやく李在成(イ・ジェソン、31)=1.FSVマインツ05=が素早く動くことでチャンスを作った。後半18分に李在成が交代すると、韓国の攻撃は再び停滞した。ソン・フンミン、イ・ガンイン(23)=パリ・サンジェルマンFC(PSG)=の個人技だけに頼らざるを得なくなった。DFもきちんと整っていなかった。互いに位置を有機的に変えなければならないのに、かみ合わずに「すき」ができた。その代表的な例が後半17分、左サイドのDF陣に韓国のDFが一人もいなかった失点の場面だ。

 確実な中盤後方の組み合わせを見いだせなかったのも問題だ。パウロ・ベント氏が韓国代表監督をしていた時に活躍した鄭又栄(チョン・ウヨン、34)=アル・ハリージュ=が韓国代表に選ばれず、孫準浩(ソン・ジュンホ、31)が1年間中国にいるため、黄仁範(ファン・インボム、27)=レッドスター・ベオグラード=は一人、中央で孤立した。前回のアジアカップでは朴鎔宇(パク・ヨンウ、30)=アル・アインFC=が出場したが、中東の激しいプレッシャーにずっと翻弄(ほんろう)されていた。タイ戦先発の白昇浩(ペク・スンホ、27)=バーミンガム・シティFC=は専門の守備的MFではないため、相手の攻撃を抑えられなかった。失点の原因も、切り込んでくるタイの選手たちを中盤で1次的に防げなかったことが大きかった。

 ソン・フンミンや金ミン哉(キム・ミンジェ、27)=FCバイエルン・ミュンヘン=ら欧州組の選手たちの合流が遅れてコンディション調整が難しかった点も不振の原因に挙げられている。欧州組は通常、国際Aマッチの4-5日前に入国して時差に慣れるよう努める。一例として、昨年11月16日に行われるシンガポールとの国際Aマッチ前、ソン・フンミンは12日に韓国に到着した。10月13日のチュニジア戦の時もソン・フンミンは8日に韓国に来た。ところが、今回は所属チームの試合日程のため、ソン・フンミンと金ミン哉は試合三日前の18日に韓国に到着した。イ・ガンインは二日前の19日夕に戻り、トレーニングに一度参加しただけだった。サッカー解説者のキム・デギル氏は「事実上、ヨーロッパから来るやいなや、すぐ試合に出場したことになる。欧州組が(プレーするのは)珍しいタイに対して体力的に押されていた可能性もある」と語った。韓国とタイの時差は2時間だ。

 韓国代表チームは26日にタイとのアジア予選第4戦を行うため、22日午後バンコクに向かって出発した。これは、早めに現地入りして適応を促そうという意図があるものとみられる。バンコクは3月が1年間で最も暑い時期だ。試合日の最高気温は35℃に達する見込みだ。

イ・ヨンビン記者

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