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医学部教授側 政府が対話に応じれば辞表提出「撤回も」=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が医師不足解消のため2025学年度から医学部の入学定員を2000人増員することを最終確定した翌21日、これに反対する医療界からは対話を求める声が相次いだ。
全国の大学の医学部教授でつくる非常対策委員会のパン・ジェスン委員長はこの日出演したテレビ番組で、政府に対話を要請し、医学部教授らの辞表提出が撤回される可能性があると示唆した。
パン氏は、政府が職場を離脱した研修医の医師免許を停止するなどの措置をやめて寛容な態度を示してから対話に応じるよう呼び掛ける必要があるとし、そうすれば一斉に辞表を提出する構えを示している医学部教授らもそれを撤回する可能性があると指摘した。
また「われわれ教授側は医学部定員を増やすこと自体に反対しているのではなく、客観的な検証を経たうえで受け入れ可能という立場」とし「政府が発表した2000人の増員は客観的なデータではないと考える」と強調。来年に客観的な検証を行ってから増員について考えようと呼び掛けた。
全国の医学部教授らは今月16日、政府が先に2000人の増員を撤回しなければ協議には応じられず、25日に一斉に辞表を提出すると表明していたが、パン氏の今回の発言は多少なりとも姿勢が軟化したと受け止められる。
政府は20日、医学部の定員増員について、首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)以外の27大学は1639人、ソウルを除く首都圏は361人増員すると発表した、
一方、ソウル大医学部教授協議会の非常対策委員会も政府の発表に遺憾の意を示したうえで、「仲裁者」としての役割を今後も続けるとの立場を表明した。
非常対策委員会は「政府の発表が一方的かつ急進的であるため、医療改革のための現実的な案にはならない」とし「政府はこの事態を解決するために前向きな姿勢で対話に乗り出してほしい」と呼び掛けた。
また、政府の方針に反対して休学届を出した学生と、定員増で増えた学生が同時期に教育を受けることになれば、教員も施設も不足すると懸念を示した。
そのうえで政府と対話するという意思を繰り返し示し、医療現場を守ると強調。25日に辞表を提出しても、現場に混乱が生じないよう最善を尽くすと表明した。