▲東京五輪のアーチェリー韓国代表だった安山(アン・サン)選手が19日、写真交流サイト(SNS)「インスタグラム」に投稿した謝罪文。写真=news 1、インスタグラムより

「公人の本分を忘れてしまった」「卑しめる意図ない」

 東京五輪で三つの金メダルを獲得したアーチェリー韓国代表、安山(アン・サン)選手が日本風居酒屋チェーン店を「売国奴」呼ばわりしたことについて、「公人としての本分を忘れてよく考えずに掲載した投稿が大きな失望と被害をもたらすとは思いもよりませんでした」と謝罪した。これは「売国奴」関連の投稿をしてから三日を経ての謝罪だ。

 安山選手は19日、インスタグラムに「決して特定の店や個人を卑しめようという意図ではありませんでした」として、謝罪文を掲載した。

 同選手は「先日、私の言動により心の傷を負ったスペシャル・ナイト(日本風居酒屋チェーン店)代表、店主の方々、関連外食業に携わるすべての方々と国民の皆様に心よりおわび申し上げます。チェーン店代表の所へ直接行って謝罪しようとしましたが、スケジュール上、代表とお会いするのは難しい状況でした。今後も機会が与えられるなら、代表の所へ直接お伺いして謝罪したいです」と書いた。

 そして、「私は17歳の時からアーチェリー韓国代表選手として生き、韓国代表と大韓民国に対する大きな自負心がありました。長い間、国を代表する選手として活動し、太極旗(韓国国旗)を最も高い所に上げようと努力してきました。これまで韓国代表を務めてきた時は、どの瞬間においても緊張の連続でした」と説明した。

 続けて、「しかし、今回の韓国代表選抜戦後、公人としての緊張感が緩んでしまいました。理由のいかんを問わず、私の言動により、生計を立てるための仕事で奮闘するすべての方々が受けた被害と心の傷は、私には想像もできませんでした。この点について反省しています」と謝罪した。

 その上で、「今回のことをきっかけに、国を代表するアスリートかつ公人としての重みをあらためて痛感し、一人の人間としてさらに成長しなければならないということに気づき、胸に深く刻みました。狭い考え方から抜け出し、大韓民国のアーチェリー選手であり、アスリート、そして公人としてさらに成長する契機とします」と述べた。

 安山選手は16日、自身のインスタグラムの「ストーリーズ」に、光州広域市にあるショッピングセンター内の飲食店の看板の写真を載せ、「韓国になぜ売国奴がこんなに多いのか」と投稿した。安山選手が言及した店は鍋専門の居酒屋というコンセプトのチェーン店「スペシャル・ナイト」で、この店がある場所は「トリップ・トゥ・ジャパン(Trip to Japan)」というコンセプトが掲げられ、近隣の店舗がすべて日本風の看板を出して営業していた。

 この投稿がネット上で拡散されたことから、スペシャル・ナイトのクォン・スンホ代表は翌日、インスタグラムに「派生するさまざまなうわさや憶測により、私は一瞬にして親日派の子孫になり、私のブランドは売国ブランドになった」と投稿した。そして、「騒動になったことで数々のメッセージをいただき、あっという間に私は親日派の子孫になり、私をはじめとする店主たちは『売国奴』『死んでしまえ』などのアンチコメントを浴びている。至らぬ代表として、このような状況にどう対処すべきか分からず、非常につらい」と吐露した。

 これに関連して、自営業者の団体「自営業連帯」は同日、すべての自営業者を侮辱し、名誉を傷つけたとして、安山選手を告訴したと伝えられた。同団体のイ・ジョンミン代表は告訴理由について、「自営業者の被害に配慮しない一部の無責任な人々の姿勢に警鐘を鳴らそうと考えた」と述べた。だが、同代表はその後、SNSに投稿した見解文で「安山選手が軽率な発言だったことを認め、謝罪文を掲載するなら、控訴を取り下げるだろう」との考えを示した。

チェ・ヘスン記者

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