▲共に民主党の李在明代表が27日、国会内で開いた議員総会に出席し、「発言はしない」というジェスチャーを送っている/2月27日、ニュース1

 金大中(キム・デジュン)元大統領の政治派閥である東橋洞系のベテラン政治家に会った。政治を離れて10年が過ぎ、80歳が過ぎた人物だ。自ずと4月の韓国総選挙が話題に上ったが、「一生公認や落選の心配をしたことはない」と話した。公認獲得に必死になる現役政治家が聞けば、とてもうらやましい話だった。ところが、その後の言葉に驚いた。「自分は金大中の寄生虫だった」と語ったのだ。4回も当選を重ね、世の中を動かした人物が「自分は寄生虫にすぎなかった」と一度や二度ならず何度も力を込めて言った。懺悔(ざんげ)のように聞こえた。

 最近政界で「寄生虫」という言葉を再び耳にした。新進歩連合の龍慧仁(ヨン・ヘイン)議員が共に民主党の衛星政党候補として出馬し、比例での再選を事実上確定させたというニュースを巡ってだ。改革新党は「龍議員は4年前に続き、再び共に民主党に寄生し、議席を略奪した。まさに『汝矣島の寄生虫』と呼んでも遜色ない」と皮肉った。

 共に民主党の衛星政党には、龍議員以外にも違憲判断を受けて解党した統合進歩党出身者、国家保安法違反の前歴を持つ韓国大学総学生会連合(韓総連)出身者の議席も予約されている。さらに狂牛病(BSE)騒動、天安撃沈、セウォル号事故のデマ勢力も4議席を獲得する。彼らは李在明代表が5000万人の国民を差し置き、一人で決めた「準連動型比例代表制」を利用し、186項目の特権を享受する国会議員の座を確実にした。映画「パラサイト 半地下の家族」に似た入試不正を犯した疑惑で二審まで懲役2年の判決を受けた曺国(チョ・グク)元法務部長官も李代表が作った「寄生虫生態系」に合流した。

 共に民主党内部は「李在明寄生虫」全盛時代と呼ぶに値する。親李在明の人々が公認証書と引き換えに盲目的な忠誠を誓っている。李代表は国民が民主党に与えた補助金と公認権などの養分を自分経由で「寄生虫」に分配する構造を完成させた。寄生虫として振る舞わないと独立を宣言した朴用鎮(パク・ヨンジン)議員のような人物には直ちに養分の供給を中断する。

 寄生虫はすべて無脊椎動物だ。政界の寄生虫も自分の所信を支える脊椎がない。それがあると宿主が傷つく恐れがあるからだ。国会議員は「国家の利益を優先し、良心に従って職務を行う」と憲法に定められているが、寄生虫政治は宿主であるボスの利益を優先し、その指示に従って職務を行う。ボスがやれと言うならば、常識、道理、正義に反してもひとまずやる。前例のない選挙法単独処理、偽装離党、立法暴走、防弾国会、逮捕同意案の裏切り者探しなどがそうやって行われた。親李在明議員は李代表に寄生し、李代表は歴史と伝統を誇る民主党を宿主として、自分の犯罪容疑に防弾幕を張った。

 国民の力はどうか。総選挙を控えた今、国民の力を掌握したのは、韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長だ。韓委員長に寄生していると言える人ような人は目立たない。韓委員長からして政界の新人だ。出馬者の大半が韓委員長より政界人生が長い。韓委員長は自分を宿主として寄生する政治家を許容する人物にも見えない。どう計算しても「李在明寄生虫」の数が「韓東勲寄生虫」よりも圧倒的に多く思える。

 大局的に見ると、政治家という職業自体が自ら生産活動をせず、民主主義制度を利用し、国民が納めた税金を食べて生きる寄生虫集団と言える。 「李在明寄生虫」は公認を受けることには成功したが、当選できるかまでは分からない。 しかし、明らかなことが一つある。東橋洞系のベテラン政治家の結論はこうだった。 「味方だけを見ている寄生虫は、絶対に政治指導者として成功できない。 私も指導者ではなかった」と話した。彼も一時は民主党代表を務めた。

黄大振(ファン・デジン)論説委員

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