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韓米演習大詰め 北の核兵器保有前提にシナリオ作成=海上作戦・認知戦にも注目
【ソウル聯合ニュース】朝鮮半島有事を想定し、韓国と米国が4日から実施している定例の韓米合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」が大詰めを迎えている。
14日まで毎日24時間体制で行われる今回の演習は、北朝鮮による核の脅威を無力化するための抑止・防止措置に熟達することに重点を置いた。偵察衛星、ヒューミント(人的情報活動)、シギント(無線・信号傍受による情報収集)などの諜報(ちょうほう)手段によって核兵器使用の兆候を捉え、外交的手段などあらゆる措置を動員して使用を阻止する手順を確認する。
韓国軍の消息筋によると、韓米軍当局は今回の演習シナリオを作成するにあたり、北朝鮮が核を開発してから相当な時間が経っていることから核兵器の保有を前提としたという。韓米は北朝鮮を「核保有国」と認めていないが、軍事的に最悪の状況を念頭に置いたとみられる。
北朝鮮の核兵器使用を想定したシナリオは今回の演習には含まれず、8月に実施する合同演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」で扱う予定だ。軍関係者は、今回の演習は8月の合同演習のためのステップだと述べた。
今回の演習では、海上での対特殊戦部隊作戦(MCSOF)、北朝鮮の長射程砲への精密打撃訓練、偽ニュースに対応する「認知戦」などの訓練が注目を集めた。
韓国空軍は7日、戦闘機KF16、FA50、F5など約10機を投入して北朝鮮の巡航ミサイル迎撃と長射程砲による挑発に対する精密打撃訓練を実施した。
また、虚偽の情報を流し、相手国の判断や国民の意識をかく乱する新たな戦争である認知戦への対応訓練も行われた。ロシアとウクライナやイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突を機に、認知戦の重要性はさらに高まっている。
軍関係者は「ハングライダーや都心の地下トンネルを利用した浸透、偽ニュースを活用したグレーゾーン戦術など、北朝鮮による多様な挑発シナリオが今回の演習に反映された」と説明した。