▲イラスト=UTOIMAGE

 昨年10月7日にパレスチナ武装組織「ハマス」がイスラエルを攻撃した当時、イスラエルの女性に対する性暴力が発生したという証拠が確認されたという。国連が4日に発表した。これまでイスラエルの女性たちがハマス側から性犯罪に遭ったする状況や主張は存在したが、それが公式機関で確認されたのだ。

 紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表は4日、「ハマスがイスラエルを対象として性暴力に及んだという『合理的な根拠』がある」として、このような内容を含む報告書を発表した。国連は1月末から2月初めにかけて、プラミラ・パッテン特別代表率いる調査チームをイスラエルと西岸地区に派遣した。このチームは生存者、目撃者、釈放された人質などを対象に調査を行った。チームは5000枚を超える写真やおよそ50時間分の動画を検討し、イスラエルの機関との計33回の会合などを通してこれを把握した。

 全24ページの報告書で国連は「生殖器の切断、性的拷問、残忍かつ非人道的で屈辱的な待遇など、性的暴力があったとする状況を収集した」と明かした。イスラエルによると、ハマスは昨年10月7日にイスラエルを攻撃し、およそ1200人を殺害して253人の人質を取った。報告書で調査チームは「10月7日の攻撃当時、ガザ地区周辺の複数の地域、少なくとも3カ所で強姦(ごうかん)など紛争関連の性的暴力が発生した」とし「腰から下が完全に、または部分的に露出した複数の遺体(ほとんどは女性)が発見され、手が縛られていたり、何度も銃で撃たれたりした状態だった」と記した。さらに報告書は「ノバ音楽フェスティバルの現場とその周辺、キブツなど少なくとも3カ所でこうした事件が起きた」「大部分は強姦に遭って殺害されたもので、少なくとも2件では遺体に対する強姦があった」とした。

 調査チームは、性的暴力の全般的な規模や範囲、具体的な原因を究明するため「全面的な調査」が必要だと主張した。なお、ハマスは現在まで性的暴力の疑いを否定している。

ニューヨーク=尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員

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