▲ウクライナ軍の攻撃用一人称視点(FPV)ドローンの、移動しているロシアの軍用車両を攻撃する瞬間が、キャッチされた。/X

 ウクライナ軍の一人称視点(FPV)攻撃用ドローンの、移動しているロシアの軍用車両を攻撃する瞬間が、キャッチされた。FPVドローンとは、兵士がドローンの撮った動画をリアルタイムで見ながらFPVで遠隔操縦できるようにしたもの。もともとはレーシング用として開発されたが、ウクライナ戦争では爆発物を積んで使われている。

 ウクライナ戦争関連の情報をシェアしているXのアカウント「ウクライナ・フロント(Ukrainian Front)」は今月3日(現地時間)、長さ36秒の動画を1本掲載した。作成者は、この動画について「ウクライナのFPV自爆ドローンがロシア軍の中国製全地形車両「デザートクロス(DesertCross) 1000-3」を攻撃した」という短い説明を付けた。

 動画を見ると、ロシア軍の車両のすぐ上方にウクライナのドローンが登場する。ドローンは車両に向かって急降下し、車両の前方に衝突した。その衝撃で赤い炎が上がって爆発し、同時に「ドカン」という爆発音が響いた。車両に乗っていたロシアの軍人が大慌てで車両から遠くへ逃げていく様子も収められている。

 この動画は、攻撃に遭ったロシア軍の視点で撮影された。ただし、アカウント側は、この動画を入手したルートや撮影時期、位置などは明らかにしなかった。動画の撮影時期以降に、ロシア軍の兵士たちがウクライナ軍に捕らえられた可能性もある。

 ロシア軍は昨年、デザートクロス1000-3を購入・配備した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が昨年11月、セルゲイ・ショイグ国防相と共にウクライナ国境近くの都市ロストフナドヌーにある南部軍管区司令部を訪れ、デザートクロス1000-3を視察する様子もメディアで報じられたことがある。

 当時、英国紙フィナンシャル・タイムズなどは、ロシア軍がこの車両の基本モデル537台を軍に配備し、オプション追加モデル1500台を追加で購入する計画だと伝えた。この車両の価格は、基本モデルで1台158万ルーブル、韓国ウォン換算でおよそ2300万ウォン(現在のレートで約260万円。以下同じ)、オプション追加型モデルで210万ルーブル、韓国ウォン換算でおよそ3050万ウォン(約345万円)といわれている。

 一方、FPVドローンの価格帯は1機およそ400ドル、同じく韓国ウォン換算でおよそ53万ウォン(約6万円)というラインだ。これを考慮すると、FPVドローンは少なくとも43倍、最大で57倍も高価なロシアの軍用車両を制圧したことになる。

キム・ガヨン記者

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