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「李承晩元大統領に対する中傷を終息、少しでも寄与できればうれしい」 観客動員100万人突破、映画『建国戦争』キム・ドクヨン監督インタビュー
「5万人見るだけでも大成功だと思っていたのに、ひたすら夢のようです」。観客数100万人達成に成功した『建国戦争』のキム・ドクヨン監督(59)は27日、インタビューで「李大統領に対する悪意ある非難を終息させることに、私の映画が少しでも寄与したのであれば大きな喜び」と語った。
キム監督は『建国戦争』について「家内手工業で作ったホームメードの映画」だという。夫婦映画人のキム監督とイム・スヨン・プロデューサーの情熱で誕生した作品だからだ。3年前に製作に着手した時点で、周囲の人は皆、キムさんを引き留めた。妻も最初は首を横に振った。前作『金日成(キム・イルソン)の子どもたち』(2020)の総観客数は1768人。惨憺(さんたん)たる失敗だった。億単位の借金を返すため、5年間営んできたカフェも売り、乗り回していた自動車も売った。妻は「もう売るものもないのに、李承晩(イ・スンマン)の映画を作って借金をさらに増やそうというのか」と言った。
キム監督はそれでも、意志を曲げなかった。『金日成の子どもたち』を撮る中で知った北朝鮮、その北朝鮮であれほど憎まれている李承晩の真実を伝えたかった。意志に火を付けたのは「李承晩専門家」らの存在だった。キム監督は「予告編動画を見せると、ある李承晩研究者の方が『ゲッベルスが来ても李承晩についての韓国国民の考えは変えられない』『無駄なことをするな』と言った」とし「当惑したが、同時に、死ぬ気でやってみようという負けん気が生まれた」と語った。
最もやりがいを感じた瞬間は、米国ワシントンの国立公文書館(NARA)で、ニューヨークにおける李大統領のパレードの映像を発見したときだった。大統領記録室で発見したモノクロフィルムでニューヨークでのパレード映像の一部を確認し、全体で4分30秒ある原本を探すため6カ月を費やした。「原本全体を見つけた瞬間、私も泣いて、PD(プロデューサー)も泣いて、そばで手伝ってくれていた在米韓国人も泣きながら映像を確認しました」
ヒットの可能性を見いだしたのは昨年11月、最初の試写会だった。出席者50人は、映画が終わっても席を立たず、キム監督と質疑応答を続けた。当時の出席者らを中心に、建国戦争同志会という後援会も結成された。キム監督は「李大統領の人間的な面に集中した『建国戦争』第2編を来年3月に披露する」としつつ「建国第1世代の苦しみを通して、大韓民国の未来のための方向を模索してみたい」と語った。
申晶善(シン・ジョンソン)記者