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研修医の一斉辞表から1週間 別の医師らも今後離脱か=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が医師不足などの対策として大学医学部の入学定員増加を発表したことに医師側が強く反発している。各地で専攻医(研修医)が一斉に辞表を提出して職場を離脱し始めてから1週間がたった。一部の病院では専任医まで離脱する気配があり、医療現場の混乱は一段と深刻さを増すとみられる。
ソウルの主な大型病院をみると、26日の手術スケジュールは通常の半分程度にとどまる。診療の日程調整も続いている。
病院側は専攻医が抜けた穴を、病院に残っている専任医や教授らで何とかカバーしようとしている。これまでは専任医を中心にある程度の診療機能が保たれてきたが、一部の病院ではこうした専任医までが現場を離れる考えを示したことが分かった。専任医は専攻医課程を終えて専門医資格を取得した医師。専任医も抜ければ病院運営が非常事態に直面する恐れがある。
このため専任医として3月に初出勤を控える医師たちの動向が注目される。またソウルの大型病院関係者によると、病院の中には3月からインターンとして働く医大卒業生との間でまだ契約が結ばれていないところがある。
政府は医師の団体行動に対し、検察と警察が協力しながら法的に対処する構えだ。保健健福祉部は持ち場を離れたことが確認された専攻医に業務開始(復帰)命令を出しており、従わない場合は医師免許の停止、取り消しなどの行政措置、告発などに踏み切る予定。同部にはそのための検事が派遣された。
市民団体の全国保健医療産業労働組合と全国医療産業労働組合連盟は26日に緊急記者会見を開き、専攻医の無断離脱による病院現場の被害事例を公表する予定だ。