▲共に民主党の朴洪根(パク・ホングン)民主連合推進団長=写真中央の人物=と、新進歩連合の竜慧仁(ヨン・ヘイン)常任選挙対策委員長=同左=、進歩党のユン・ヒスク常任選挙対策委員長が21日、韓国国会で開かれた「民主改革進歩選挙連合合意署名式」で、合意文を持って並んで立っている様子。/李徳勲(イ・ドクフン)記者

 共に民主党が、総選挙用の比例代表衛星政党を作って進歩党・新進歩連合・連合政治市民会議の候補10人を当選安定圏に置くこととした。進歩党・新進歩連合にそれぞれ3議席、連合政治市民会議に4議席を保障してやることとしたのだ。これらはほとんどが反米・親北勢力だ。

 4年前の21代総選挙で、民主党の衛星政党「共に市民党」は、33%の得票率で17議席を得ている。類似の結果が出ると仮定すると、民主党と連帯する左派勢力は、配分を受けた10議席を確保することになるものとみられる。民主党は、これとは別に、当選可能性が高い蔚山北区では進歩党の候補に一本化することとした。ここは民主党所属の当選2回の国会議員がいる選挙区だが、この議員とは相談もなしに議席を渡してやることとした。

 これにより、在韓米軍撤収を主張し、THAAD(高高度防衛ミサイル)反対運動を展開し、狂牛病集会を主導し、哨戒艦「天安」自爆説などの流言飛語をつくってきた反米・親北・デマ流布勢力が22代国会に2議席以上入ってくる可能性が高まった。進歩党は、有事の際における国家基幹施設への攻撃を謀議した統合進歩党の後身だ。統合進歩党は2014年、違憲政党解散審判の決定を受けて強制解散されている。連合政治市民会議は「米国産牛肉輸入反対」「済州海軍基地反対」などを主張してきた人々がつくった代表的な急伸左派団体だ。

 これらの勢力は、自分たちの名義で総選挙に出たら議席を得る可能性は低い。それが韓国国民の評価だ。民主党が自分たちの衛星政党にこうした勢力を入れてやり、国会議員にしてやるのは、韓国国民の評価を迂回(うかい)する小細工だ。民主党は、3勢力が推薦する比例代表らを何らの検証もなしに受け入れるとの立場を取っている。韓国の国体を否定し国の基本を揺さぶる人々が韓国の国会議員になれる道を、開いてやっているのだ。21代国会で衛星政党から国会入りして物議を醸した「崔康旭(チェ・ガンウク)、尹美香(ユン・ミヒャン)、金宜謙(キム・ウィギョム)」を上回る人物が、国会議員バッジを着けて国を代表することになる。民主党がこんなことをする理由は、これら反米・親北勢力を支持する少数の有権者の票が首都圏における薄氷の勝負で役に立つ、とみているからだろう。いくらそうだとしても、やってはならないことというものはある。

 その一方、民主党の候補公認では、李在明(イ・ジェミョン)代表に批判的な人物を見境なく取り除いている。同党出身の丁世均(チョン・セギュン)、金富謙(キム・ブギョム)元首相が「民主的原則と客観性が損なわれている」と言うほどだ。党代表に絶対の忠誠を行っていないという理由で多数の現役議員らを取り除き、大韓民国を脅かす勢力には10議席を献納するという政党が、これまで韓国国会を掌握し、国政を左右してきた。

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