▲イラスト=UTOIMAGE

 「同僚がいなくなり仕事があまりに増えたので後輩の研修医たちも疲れ果てて辞職した。その後休養をかねて東京に旅行しようとしたところ、兵務庁から出国禁止にされた」「自分は北朝鮮に住んでいるのだろうか? 出国禁止の令状もないのに出国が禁止されたら憲法違反ではないのか」

 自らを医師と名乗るネットユーザーが21日に掲示板に書き込んだ上記の内容が話題になっている。

 本紙が確認したところ、兵務庁は「兵役を終えていない研修医が海外旅行を申請する際、兵務庁などの推薦書が添付されていなければ、取りあえず許可を保留し本庁にリストを提出せよ」と指示する文書を実際に各地方庁に送っていた。

 関連する法律によると、兵役を終えていない男性は兵務庁の承認が無ければ海外旅行はできない。医学部学生が「医務士官候補生」を選択した場合、通常の兵役ではなく研修を終えるまで兵役を先送りし、その後医務将校あるいは公衆保健医師などとして服務できる。ただし研修中に海外旅行に行くには所属する病院長などの推薦書を必ず提出しなければならない。

 医師団体は兵務庁の文書を激しく非難した。

 大韓医師協会非常対策委員会の朱秀虎(チュ・スホ)言論・広報委員長は同日のブリーフィングで「辞職願を出した兵役未了研修医の海外出国を禁じる文書を兵務庁が発送した」とした上で「政府は研修医を凶悪犯と事実上同一視している」などと主張した。

 兵務庁はこれに反論した。

 兵務庁は「これまで適用されてきた指針は何も変更されておらず、研修医の大量辞職という事態が起こったため、この指針を改めて確認するために文書を発送したに過ぎない」と説明した。完全に退職した医務士官候補生は病院長の推薦書を提出する必要はない。ただし辞職願を提出しただけの段階ではこれを退職者と同じように取り扱ってはならない。兵務庁はこの点を文書で確認したというのだ。

 兵務庁は説明用資料の中で「保健福祉部(省に相当)から業務開始命令を受けた医務士官候補生は所属する機関に復帰し職務に当たらねばならない立場だ。本人が辞職願を出しただけの段階では退職手続きが完了したとは言えず、通常研修中の候補生と同じく海外旅行許可申請が必要になるということだ」とも説明した。

キム・ミョンイル記者

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