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「碩士将校」が86学生運動出身者? 韓国与党トップの指摘に曺国元法相反発「制度を作った『全・盧』一味に言え」
韓国の保守系与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は19日、曺国(チョ・グク)元法相について「全斗煥(チョン・ドゥファン)政権時代に作られた代表的な優遇システムである『碩士(せきし)将校』制度を利用していた方」だとし「そんな人物が運動圏(学生運動出身)というのは本当か」と発言した。
韓・非常対策委員長はこの日、ソウル市汝矣島にある国民の力中央党舎へ出勤する途中、取材に応じて「運動圏内でも果たして、あの方を本物の運動圏と考えているのかどうか、よく分からない」としてこのように語った。
さらに韓・非常対策委員長は「民主化運動は国民と市民、双方の功であって、大変な業績だ。その大変な業績を、曺国のような人物が運動圏の特権勢力として横取りすることについて、これ以上韓国国民は容認すべきでない」「これが今回総選挙において、時代精神において反映されるべき」と語った。
「碩士将校」制度とは全斗煥政権時代に作られた短期服務制度で、兵役上の一種の優遇制度だ。碩士(修士)学位の所持者を対象に試験を行い、4カ月の士官候補生訓練を施して、さらに前方部隊で実習小隊長として2カ月の兵営体験を積ませた後、除隊(予備役へ転役)させるという制度だった。
6カ月後に少尉の階級章をもらってすぐに将校として除隊するというので、俗に「六箇章(ユッケジャン)」とも呼ばれた。1982年に全斗煥政権で導入され、全斗煥および盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の息子が恩恵を受け、公平性を巡る論争が起きて91年に廃止された。曺国・元法相は89年8月に碩士将校として入隊し、翌年2月17日に陸軍少尉の階級を付けて服務満了で除隊した。
これに対し曺・元法相は、フェイスブックを通して「制度自体を非難しようと思うのであれば、その制度を作った、国民の力の前身政党の指導者である全・盧(全斗煥・盧泰愚)一味に言え。切羽詰まっているのか、むやみに投げている」とし「多くの修士学位所持者がこの制度を通して軍服務を終えた」と反論した。「筆記試験で選抜された」という点も強調した。
曺・元法相は「服務期間が6カ月と短く、現役服務をした同時代の男性に申し訳ないという感情はあるが、韓東勲委員長の言うように碩士将校で除隊したからといって『運動』とは無関係だというのは、話にならない」と述べ、その上で、ソウル大学法学部の校誌編集長時代に書いたという文章や、国家保安法違反で有罪判決を受けた後にハンギョレ新聞のインタビューを受けた記事などをシェアした。
曺・元法相は「私は当時の活動を自慢も、恥じもしない。意義と限界のある活動だった」としつつ「そして私よりもさらに熱心にやっていた友人たちに、尊敬の心と申し訳ない気持ちがある」とつづった。
キム・ミョンジン記者