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韓国最長寿59歳ゾウ「サクラ」息を引き取る
韓国最長寿のゾウ「サクラ」が13日に旅立った。ソウル大公園の人気物だった59歳のサクラは、人間の年齢で言えば90歳に当たる。飼育員の間では「ゾウのおばあちゃん」と呼ばれていた。昨年11月に腹水がたまり、生殖器の皮下浮腫も発生、ソウル大公園の獣医診療チームとゾウ担当チームが集中的に治療に当たったが、このところ体調が急激に悪化していたとのことだ。
体重2.6トンのアジアゾウ、サクラは1965年にタイで生まれた。生後7カ月で日本に渡り、宝塚ファミリーランド(兵庫県宝塚市)の動物園にいた。その後、動物園がなくなり、2003年に韓国に来た。サクラは怖がりで人見知りする性格だったという。ソウル大公園で他のゾウとうまく付き合えなかったが、最年長のため長寿のシンボルとして人気者になった。
高齢のサクラは5年前にツメの病気にかかり、一時は命が危ぶまれたが、乗り越えた。2019年4月にも「爪囲炎」にかかった。足のツメが細菌に感染して炎症を起こす病気だ。ゾウは体重が重いため、体重を支える足に病気が発生することが多い。
野生のゾウたちはメスのリーダーを中心に群れをなして生活するが、サクラは子どものころから動物園で暮らしてきたため、他のゾウとコミュニケーションできなかったという。 ソウル大公園側は、ずっと一人で暮らしてきたサクラに家族を作ろうと、2018年からトレーニングを続けた。その結果、他のゾウ3頭と群れをなして最近まで過ごした。
ゾウ担当チームの飼育員たちは、サクラと一緒に過ごしていた3頭のゾウがショックを受けないようにケアする考えだとのことだ。飼育員たちは「子どものころから寂しくてつらい生活をしてきたサクラだが、ソウル大公園で家族のような仲間たちに会い、晩年に寂しさを感じずに過ごすことができた。韓国最高齢のゾウとして元気に過ごす姿を見て、入園者の皆さんに希望を与えた。体調が悪くてもトレーニングや治療に積極的だったサクラのことは忘れない」と語った。
ク・アモ記者