▲救出作戦当時の画面。イスラエルの特殊部隊がハマスのメンバーらと交戦している。/X(旧ツイッター)

 イスラエル国防軍(IDF)が、パレスチナの武装組織ハマスに拉致された自国の人質2人を救出する瞬間の映像を公開した。

 12日(現地時間)に日刊紙タイムズ・オフ・イスラエル(TOI)が報じたところによると、イスラエル軍は同日、ガザ地区最南端の都市ラファで空襲を展開すると同時に、人質救出作戦を行った。イスラエル警察の対テロ特殊部隊「Yaman(ヤマン)」と、情報機関シンベト、そしてイスラエル軍による合同作戦だった。今回の作戦で、シモン・マルマンさん(60)とノルベルト・ルイス・ハールさん(70)が約4カ月ぶりに家族の元に戻った。

 イスラエル軍は同日、人質救出作戦中に撮影した現場の映像を公開。およそ2分にわたる映像によると、警察の対テロ特殊部隊は人質が監禁されていた2階建てアパートに爆発物を設置し、イスラエル軍を監視していたハマスのメンバー3人を殺害した。

 特殊部隊の隊員たちは即座に人質を確保し、建物の外に移動。現地のハレツ新聞は、ヤマン精鋭部隊の指揮官の言葉として、ロープで人質たちを建物の外に引っ張り出したと伝えた。特殊部隊の隊員たちは自身の体で人質を守ったという。

 爆発物が爆発して騒がしくなると、近くの建物にいたハマスのメンバーらが特殊部隊の隊員らに銃撃を加え、激しい交戦状態となった。幸い特殊部隊の隊員らは人質を無事に救出し、装甲車に乗って移動。映像には「人質を確保した」「軍隊を相手に銃撃が発生した」「軍隊が移動している」など、無線機による報告の音声も入っている。

 また映像には、特殊部隊の隊員らが人質に対し「おかえりなさい。ご気分はいかがですか」と尋ねる場面もあった。マルマンさんとハールさんは「驚いたけど大丈夫です」「気分はいい」と答えた。隊員らは驚いている2人に飲料水や服、靴を渡し「ゆっくり行きましょう。一緒にいますから」などと声を掛けて励ました。2人は救出されたことが信じられないといった様子で、戸惑うような表情を見せていたが、すぐに安心したのか笑顔も見せた。

 人質の2人はその後、軍用ヘリでラマト・ガンにあるシェバ医療センターに搬送された。作戦は約1時間で終了した。

 イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は今回の作戦について「ハマスに対抗する作戦の転換点」としながらも、今後同様の救出作戦を実施するのは困難との見方を示した。ガラント国防相は「今も大勢の人質が残っている」として「大部分の人質はこのような形でなく、合意によって連れ戻せることを願っている」と述べた。その上で「救出作戦があと何回必要なのか、誰にも分からない」と続けた。

キム・ガヨン記者

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