▲イラスト=UTOIMAGE

 事務所や家など室内の空気の質が人間の創意力に影響を及ぼすという研究結果が出た。

 シンガポール南洋理工大学の研究チームは、室内の空気の質が認知遂行能力に影響を与えると発表した。空気の質はペイント、カーペット、洗剤、芳香剤など、周辺環境の変化によって変わる可能性がある。研究結果は最近、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載された。

 研究チームは、空気の質と創意力の相関関係を研究するため、成人87人を対象に6週間にわたり分析した。研究参加者たちは、気候変動、メンタルヘルス、貧困など、さまざまな問題に対する話を読んで、レゴブロックを使ってこうした問題を解決するのに役立つような模型をつくった。その後、参加者たちは自分がつくった模型に対する説明を書面で作成し、ほかの人たちと意見を交わした。研究チームは、参加者たちのレゴ模型と説明を基に、創意性を評価した。

 研究チームは、参加者たちがレゴで問題を解く間、空気フィルターの組み合わせを通じて、作業空間の空気の質を変化させた。フィルターの組み合わせによって二酸化炭素、PM2.5などの微小粒子状物質、総揮発性有機化合物(TVOC)など、空気中の汚染物質の水準が変わった。その結果、研究チームは総揮発性有機化合物が減少するほど参加者たちの創意力がアップすることを発見した。具体的には、総揮発性有機化合物が72%減少すると創意力の点数が12%アップした。

 研究チームは「空気の質が人間の肺だけでなく、創意的な認知能力にも影響を及ぼし得るということが証明されたというわけだ」とした上で「適切な換気が、創意性や生産性を高めることができる方法」と説明した。

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