【ソウル聯合ニュース】韓国の徴用被害者が日本の日立造船を相手取った損害賠償請求訴訟を巡り、ソウル高裁は6日、原告側が申請していた日立造船の供託金に対する担保取り消しを認めた。法曹関係者が8日、伝えた。原告は昨年12月に大法院(最高裁)で賠償金5000万ウォン(約560万円)と遅延利子を受け取る判決が確定した後、日立造船が裁判所に納めた供託金を賠償金として受け取るための手続きを進めている。原告側の代理人は「全体の手続きでみると、半分以上進んだ」と話した。

 日立造船は二審で賠償を命じられた2019年1月、強制執行を防ぐため担保として6000万ウォンを裁判所に供託した。

 昨年末の大法院判決の後、原告はこの供託金を賠償金として受け取るため手続きを開始した。ソウル中央地裁が先月23日に供託金の差し押さえを認めたのに続き、ソウル高裁が担保取り消しを決定した。同決定の書類が日立造船に送達されれば、原告は裁判所にある供託金を受け取ることが可能となる。

 ただ書類が送り返される場合は、送達する内容を裁判所の掲示板や官報に掲載することで内容が伝わったとみなす「公示送達」が必要だ。裁判所の供託官が供託金引き出しの可否を判断するなどの手続きも残っており、原告側は供託金の受け取りまでさらに1~2カ月ほどを要するとみている。

 徴用訴訟に関連し、日本企業が韓国の裁判所に資金を納めた事例は日立造船が唯一とされる。原告側が供託金を受け取った場合、徴用訴訟で初めて日本企業の資金が原告に渡ることになる。

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