社会総合
無罪判決のサムスントップ 法廷で安堵の笑み
【ソウル聯合ニュース】韓国・サムスングループの経営権継承を目的にグループ傘下企業の不当な合併を指示・承認したとして資本市場法違反などの罪に問われた同グループ経営トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長が5日、一審で無罪判決を言い渡された。
李被告は公判開始20分前の午後1時40分ごろ、ソウル中央地裁に到着した。
濃いグレーのスーツを着た李被告の表情は硬く、起訴から3年5カ月を経て開かれる判決公判に臨む心境や、株主に対する立場などについての質問にも無言を貫いた。
法廷に向かう李被告の背中に向かって「サムスンファイト」という叫び声も上がった。
李被告は入廷し、被告席に座った後も正面のみを見つめ、共に起訴された元部下らと会話することもなかった。
午後2時2分ごろに裁判官が法廷に入ると、李被告は立ち上がって腰を深く折り、頭を下げた。
裁判長が「証拠が不足しており、犯罪の証明がない」と判決趣旨を読み上げる間も無表情だった。
判決文の朗読が始まって約50分後、裁判長が被告全員に無罪を言い渡すと、李被告はようやく安堵(あんど)したように笑みを浮かべた。
共に起訴された元グループ未来戦略室長の崔志成(チェ・ジソン)氏や元同室戦略チーム長の金鍾重(キム・ジョンジュン)氏らとも笑いながら軽く話を交わした。
李被告は閉廷後、記者団の質問に対し無言のまま法廷を後にした。
弁護士の一人は「賢明な判断を下してくださった裁判所に心から感謝する」と述べた。
李被告は2015年にグループ傘下の第一毛織とサムスン物産の合併にあたり、最小コストでのグループ経営権の安定的な継承とグループに対する支配力強化のため、未来戦略室が主導した不正取引や相場操縦、会計不正などに関与したとして、20年9月に起訴された。