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 韓国の与野党は2日、政治改革特別委の全体会議を開いて4・10総選挙の選挙区画定案を話し合おうとしたが、会議を取り消した。保守系与党「国民の力」と進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の双方とも自らに有利な「票田」選挙区を奪われまいとして、意見の差を縮めることができなかったからだ。

 与野党は当初、2日に政治改革特別委で合意案を得て5日に法制司法委、6日に本会議を通過させる計画だった。しかし合意に失敗したことで、総選挙まで残すところおよそ2カ月という時期になっても、候補者はどこに出馬するのかが分からず、有権者はどの選挙区で投票するのかを知り得ないという「真っ暗闇」状態が続くことになった。与野党は、次の会議の日程も決められなかった。双方とも「旧正月(今年は2月10日)前の合意は難しい」「議論は振り出しに戻った」とした。韓国政界内外で「無責任の極み」という批判が起きている。

 先に中央選管委傘下の選挙区画定委は、昨年12月に「選挙区画定案草案」を国会へ提出した。選管委の案では選挙区6増6減となっていたが、民主党は全羅北道や京畿道富川など、民主党が強い地域ばかり集中的に選挙区が減ったとして反発してきた。国民の力の票田である慶尚北道やソウル市江南、慶尚南道昌原などは人口が減ったにもかかわらず選挙区の数をそのまま維持した、というのだ。逆に国民の力は、民主党が票田死守のため全羅北道などに対する無条件の配慮を要求している、との立場だ。

 一方、民主党は2日、総選挙に適用する選挙制度決定権限を李在明(イ・ジェミョン)代表に委任することとした。民主党は、選挙区で多数の当選者が出るほど比例当選者は減るという現行の連動型選挙制度を維持するのか、選挙区と比例をそれぞれ別に選んでいた過去の並立型選挙制度に戻すのかを巡って決定を先延ばしにしていた。民主党は与党だった4年前、保守系野党の反対にもかかわらず連動型選挙制法案を強行処理したが、今回の総選挙で損をしそうだとなって悩んでいるのだ。民主党は、選挙制度関連の「全党員投票」の実務準備も行っている。これには民主党内からも「李代表をはじめとする党指導部は責任を党員に転嫁しようとしている」という声が上がった。

パク・サンギ記者

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