社説
「利敵団体」判決は無視し続けたのに金総書記の一言で解散手続きに入る韓国の従北団体【2月3日付社説】
韓国で代表的な親北団体の祖国統一汎(はん)民族連合(汎民連)南側本部が今月17日に総会を開き、組織の解散について話し合うという。6・15共同宣言実践南側委員会も先日総会を開き、組織改編を含む今後の路線について検討を行った。このように複数の親北団体が自ら解散に向けた手続きを進めている理由は、先日北朝鮮が突然方針を変更したためだ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は昨年末の朝鮮労働党全員会議で「大韓民国のやつらとは統一は実現できない」「北南関係は敵対的二国間関係」などと述べ、高麗連邦制による統一や祖国統一三大憲章を破棄した。金正恩総書記の指示を受け北朝鮮当局は汎民連北側本部、6・15北側委員会などを整理すると発表したが、韓国国内の親北団体もこれに歩調を合わせているのだ。
汎民連は北朝鮮が韓国に対する工作目的で1990年に韓国、北朝鮮、さらに海外の市民団体などをベルリンに招集して結成した親北・反韓の統一戦線組織だ。その南側本部は朝鮮労働党から韓国国内の親北運動に関する指導の権限を受け、従北団体のリーダー的な役割を果たしてきた。韓国国内で在韓米軍撤収や国家保安法廃止などを主張し、反米・反政府活動をリードしたのもまさにこの団体だ。2012年には副議長が韓国政府の許可を受けずに訪朝し、「金正日(キム・ジョンイル)国防委員長様は民族のオボイ(親)」と述べた。まだ準備委員会だった1992年を皮切りに1997年と2012年の3回にわたり裁判所から利敵団体との判決を受けたが、それでも解散には応じなかった。他の利敵団体は看板を何度か掛け替える手口で組織を維持してきたが、汎民連だけは「金日成(キム・イルソン)主席が直接つけた名前」という理由でその名称も変更しなかった。ところが今回金正恩総書記の一言で自ら解散すると言い出したのだ。
韓国の親北・従北団体は金正恩総書記の統一路線破棄に衝撃を受け、今混乱状態に陥っている。最初に解散に乗り出した汎民連南側本部は「新組織建設決議大会」を予告している。汎民連という看板は下ろすが、これまでの反米・反政府闘争は今後も続けるという意味だ。他の親北・利敵団体も汎民連に従う可能性が高い。これら利敵団体は有事に韓国の国家基盤やインフラを攻撃する第2、第3の「李石基(イ・ソッキ)式内乱扇動」を引き起こすだろう。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版