アジア・サッカー連盟(AFC)アジアカップで64年ぶりの優勝に挑む韓国代表チームが、ワールドカップ(W杯)ベスト16入りを果たした「奇跡の地」ドーハで、中東の強豪サウジアラビアを破った。ユルゲン・クリンスマン監督率いるサッカー韓国代表チームはこの日、サウジアラビアとPK戦までもつれ込んだもののベスト8進出を果たし、次はオーストラリアと対戦することになった。

 韓国は31日未明(韓国時間)、カタールのアル・ライヤーンにあるエデュケーション・シティ・スタジアムで行われたアジアカップのカタール大会決勝トーナメント1回戦(16強戦)で、サウジアラビアと対戦して勝利を収めた。

 両チームは同日、延長戦まで120分間にわたり激しい戦いを繰り広げたが、勝敗を決めることができなかった。

 前半戦、サウジアラビアのシュートが2度もゴールポストに当たって命拾いした韓国だが、後半戦開始37秒で失点を許した。アブドラ・ラディフがサレム・アル・ドサリのパスを受けて左足でシュートし、ゴールネットを揺らした。韓国のDF陣が対応する間もなく失点してしまったのだ。

 その後、韓国は総攻勢をかけた。後半40分、ソル・ヨンウのカットバックパスを受けた黄仁範(ファン・インボム)のシュートがGKのファインプレーで惜しくも阻まれ、さらにそれ以降もソル・ヨンウ、李康仁(イ・ガンイン)、孫興民(ソン・フンミン)のシュートが相次いでサウジアラビアDF陣の壁を越えられなかった。そして、アディショナルタイム2分、李康仁のクロスを曺圭成(チョ・ギュソン)が頭で受けたが、これもゴールポストにはじかれ、8強進出は挫折したかのように思われた。

 ところが、アディショナルタイム9分で状況が一転した。金太煥 (キム・テファン)のクロスが反対側のゴールポスト付近にいたソル・ヨンウの方へ向かった。ソル・ヨンウのヘディングパスを曺圭成がゴール前で受け、ヘディングで同点ゴールを決めた。曺圭成は完璧なゴールで、これまでの不振を振り払った。

 この得点で延長戦に突入した韓国は、30分間にわたり猛攻を続けたが、得点にはつながらなかった。朴鎔宇(パク・ヨンウ)と金ミン哉(キム・ミンジェ)が惜しくも得点機会を逃したのに続き、相手GKがゴールポストを空けるミスを犯した状況でも、韓国の選手同士が絡み合って絶好のチャンスを逃した。

 結局、両チームはPK戦までもつれ込んだ。サウジアラビアの3本目と4本目のシュートをGK趙賢祐(チョ・ヒョヌ)が相次いで阻止した一方、韓国の孫興民、金英権(キム・ヨングォン)、曺圭成、黄喜燦(ファン・ヒチャン)はいずれも得点した。最後の黄喜燦のキック前にスタジアムを去ったサウジアラビア代表ロベルト・マンチーニ監督の後ろ姿がカメラにとらえられた。

 韓国は準々決勝で、28日にインドネシアを4-0で下して勝ち上がってきたオーストラリアと、来月3日午前0時30分にアルワクラにあるアル・ジャヌーブ・スタジアムで対戦する。

 韓国はこれで1996年アラブ首長国連邦(UAE)大会から8大会連続でアジアカップ8強進出を果たした。

ノ・ジャウン記者

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