ミサイル開発問題
北朝鮮が28日に発射した巡航ミサイル、新型潜水艦から発射か
北朝鮮は28日午前8時ごろ、咸鏡北道新浦沖合の海上から複数の巡航ミサイルを発射した。韓国軍合同参謀本部が発表した。新浦には北朝鮮で潜水艦開発や建造、試験などを行う軍事施設が集中している。北朝鮮は昨年新型戦術核攻撃潜水艦「金君玉(キム・グンオク)英雄」などを進水させたが、この潜水艦から長距離巡航ミサイルを発射した可能性が考えられるという。北朝鮮は同日国営メディアを通じて韓国軍と米軍が先日行った合同軍事演習を非難し、韓半島で戦争が起こった場合は韓国と米国が「無慈悲な征伐の目標になる」と脅迫した。
ある韓国軍筋は「北朝鮮が新浦沖合の海上からミサイルを発射し、8の字型に旋回して消えたことが分かった」「潜水艦あるいはバージ船から巡航ミサイルが発射された可能性が高い」と明らかにした。韓国軍合同参謀本部は「(詳しい性能などは)韓米の情報当局が詳しく分析している」「韓国軍は監視と警戒を強化し、米国と緊密に協力している。北朝鮮による新たな動きと活動を鋭意注視している」と説明した。
北朝鮮は昨年3月に新浦沖合で新浦級潜水艦(別名8・24英雄)から2発の長距離巡航ミサイルの海中発射に初めて成功した。当時北朝鮮は魚雷発射管を使った発射に成功し、ロミオ級など北朝鮮の別の潜水艦からも長距離巡航ミサイルを海中から発射する能力を示した。北朝鮮は「ファサル1型」「ファサル2型」の2種類の長距離巡航ミサイルを保有しており、これらの最大射程距離は1500-2000キロに達する。そのため北朝鮮は韓国全土はもちろん、沖縄の嘉手納基地など在日米軍基地をミサイルの射程圏内としている。
潜水艦から発射される巡航ミサイルは地上や空中から発射されるミサイルに比べて事前の探知が難しく、奇襲攻撃が可能だ。そのため韓米両軍にとって北朝鮮の潜水艦発射巡航ミサイルは大きな脅威となる。北朝鮮潜水艦が東海を南下し、韓国の南部からミサイルを突然発射した場合、これを事前に探知し迎撃するのは非常に難しい。北朝鮮潜水艦は騒音が大きいが、東海は「潜水艦天国」と呼ばれるほど潜水艦の探知が難しい環境だという。
今回韓国軍は、北朝鮮が昨年9月に進水した新型戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄」から巡航ミサイルを発射した可能性があると推定している。金君玉英雄は従来のロミオ級潜水艦(76.6メートル)よりも9メートルほど全長が長く、10基の垂直発射装置(VLS)を搭載している。垂直発射装置には短距離ミサイルKN23をSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)に改良した「ミニSLBM」や長距離巡航ミサイルなどが搭載可能とみられる。上記の韓国軍筋は「魚雷発射管から発射したか、あるいは垂直発射装置から発射したか分析中」と明らかにした。垂直発射装置は魚雷発射管に比べて複数のミサイルを短時間で撃てるという強みがある。
また北朝鮮が今月24日に西海で初めて試験発射を行った新型の戦略巡航ミサイル「プルファサル(火矢)3―31型」を金君玉英雄や新浦級潜水艦から発射した可能性も考えられる。韓国軍当局は「北朝鮮は今年3月に予定されている韓米合同軍事演習、あるいは4月の韓国での総選挙を前に、さまざまな形で追加の挑発を仕掛ける可能性が高い」と予想している。そのため韓国軍は北朝鮮による挑発のレベルや方法に応じた対抗措置を準備している。
ユ・ヨンウォン記者