社説
共に民主・李在明代表襲撃から3週間後に与党議員攻撃、政治テロへの備えを徹底すべき【1月26日付社説】
韓国与党・国民の力の裵賢鎮(ペ・ヒョンジン)議員が25日午後、ソウル市江南区内のあるビルで、10代の少年に石で頭を10回以上殴られた。同議員はかなり多く出血して病院に搬送された。石が割れるほど大きな衝撃が加えられたが、幸い命に別条はないことが分かった。現行犯逮捕された容疑者は「国会議員の裵賢鎮ですか?」と聞いて身元を確認した上で犯行に及んだという。偶発的なものではなく、裵賢鎮議員を狙った犯行だったということだ。今回の事件は、野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が釜山市内で襲撃されてから23日後に発生した。
裵賢鎮議員を襲撃した容疑者は15歳の中学生だという。未成年者がこのようなテロを行ったとは衝撃的だ。李在明代表襲撃事件を模倣した可能性も排除できない。しかし、まだ犯行動機や共犯の有無などが明らかになっておらず、予断を許さない。今回も李在明代表襲撃の時のように、ありとあらゆる憶測やフェイクニュースが飛び交うだろう。捜査結果が出るまでは与野党とも今回の事件を政争の具にしたり、選挙に利用したりしてはならない。李在明代表と裵賢鎮議員の襲撃事件は、政治の二極化や熱狂的な支持現象が日常的になった韓国の政治風土について今一度振り返る必要があることを示唆している。各党の指導部は熱狂的な支持層を自制させる必要がある。
法治国家において暴力はいかなる理由があっても正当化できない。職業の特性上、有権者と頻繁に接しなければならない政治家に対するテロ行為は、民主主義の根幹を揺るがす深刻な犯罪だ。韓国国会議員総選挙まであと70日余りだ。選挙日が近づくにつれ、政治家を狙ったテロが頻発する可能性に徹底的に備えなければならない。警察は現在、正式な選挙運動期間中だけ主要候補者を警護する担当チームを設けている。だが、このようなやり方で同様の犯罪の再発を防ぐことは難しいだろう。各政党と協議し、政治家の警護に万全を期すべきだ。