話題の一冊
米国にK文学を伝えたエージェント「韓国は自らを過小評価している」
【新刊】バーバラ・ジトワー著、シン・ユンギョン訳『韓国で感じた幸せ』(文学手帳刊)
バーバラ・ジトワーがいなかったら、文学韓流の到来はもう少し遅れていたかもしれない。彼女は、米国で2000年代中盤から韓国文学を紹介してきたエージェントだ。金英夏(キム・ヨンハ)を皮切りに趙京蘭(チョ・ギョンラン)、韓江(ハン・ガン)など、数多くの韓国の作家が彼女の「顧客」になった。顧客と交流しつつ訪れた韓国の姿を本に収めた。旅行はもちろん、済州の海女など韓国人との出会いに幸せを感じた。韓国は彼女の生き方を変えた。あるときは寺で僧侶と茶を飲み、涙を流した。夫の健康問題で気がかりが多かった。そのときの僧侶の言葉が、生涯の祈りの言葉になった。「私たちは今、幸せです」
韓国の礼節・文化を外国人の視線で再び見ることの面白さが大きい。韓国人は「駄目だ」という言葉の使い方がうまくないとか、最初の対面で年齢を尋ねて不快だった話など、誰もが経験しがちな事件だ。韓国への愛情が大きいだけに、「『韓流』は世界を征服したけれど韓国は依然として『自分たちは世界的影響力を行使している』という事実を受け入れていないようだ」と残念な思いも記した。韓国人が忘れて過ごしている、日常の中の幸福について振り返らせる一冊。200ページ、1万4000ウォン(約1540円)
イ・ヨングァン記者