▲16日、江原道華川郡で開催中のヤマメ祭り会場をファムツアー(旅行関連会社やインフルエンサーの現地視察ツアー)で訪れ、ヤマメ釣りを楽しむ外国人。写真=聯合ニュース

 江原道華川郡を代表する祭り「ヤマメ祭り」が韓国の一部市民団体による動物虐待批判に巻き込まれながらも、外信が挙げた「アジアで是非行くべき冬の祭り」の一つに選ばれた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)はこのほど電子版に掲載した「今年の冬、アジアで是非行くべき祭り5選」という見出しの記事で、華川のヤマメ祭りに注目した。ヤマメ祭りはマレーシアのヒンドゥー教の祭り「タイプーサム」、日本の「若草山焼き」「さっぽろ雪まつり」、台湾の「ランタン祭り」などと共に推薦リストの一番上に名前を連ねた。

 NYTは「凍った川でヤマメを釣ることができるというチャンスを得るため、毎年冬に大勢の訪問客が集まってくる。釣りをしなくても天ぷら・焼き魚・刺身など新鮮な料理を味わうことができ、スケートやそりなどのウィンタースポーツも楽しめる」と紹介した。

 この他にもヤマメ祭りは6日の開幕から16日現在まで世界各国の外信メディアに約280回紹介されている。華川郡では「特に冬のない東南アジア地域のインドネシア・ベトナム・マレーシア・インドなどのメディアにもヤマメ祭りの写真や映像が拡散されている」と話している。

 ヤマメ祭りが外信に注目されたのは今回が初めてではない。米CNNが発行する世界的な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」で2011年に「冬の七不思議」として紹介されたことがあり、これが海外で有名になるきっかけとなった。当時、同誌は「数万人が厚い氷の上で釣りをする姿が印象的だ」と祭りの風景を伝えた。

 ヤマメ祭りは2003年に始まり、2006年からは国内外から毎年100万人以上の観光客が訪れる名物の祭りとなった。しかし、2021年と2022年は新型コロナウイルス感染症流行で開催できず、今年は「動物虐待をやめろ」という一部市民団体の糾弾が続いている。「素手づかみ・氷釣り・ヤマメの運搬・エサの需給など、祭りの過程全般が動物虐待に当たる」として事実上、祭りを廃止せよとの要求だ。

 「動物解放の波」「環境運動連合」など39の市民団体は7日、華川郡庁前で記者会見を開き、「3年前から華川郡に『苦痛を感じる魚類に対して倫理的に待遇すること』を何度も要求してきたが、華川郡は無回答・反発・無変化で一貫してきた。ヤマメ祭りは『韓国を代表する祭り』と言われているが、同時に動物に過度な苦痛を与えるプログラムとして批判されてきた」と指摘した。

 昨年12月にも韓国菜食連合の関係者たちがソウル市鍾路区の光化門広場に集まり、「ヤマメ祭り動物虐待中止・菜食要求記者会見」を開いた。出席者たちはヤマメをかたどったマスクをかぶり、「ヤマメ祭り・マス祭り・サケ祭りなど動物を娯楽と遊戯の対象と見て不必要な苦痛とストレスを誘発し、殺して楽しむのはやめるべきだ」と主張した。

 これら市民団体はヤマメ祭りに反対する市民の声を伝えようと「1万人署名」運動を進めた。一方、ヤマメ祭りとよく似ている江原道麟蹄郡のワカサギ祭り、江原道平昌郡のワカサギ祭り、京畿道楊平郡のワカサギ祭りなどは、全国的な異常気温で相次いで中止または延期されている。江原道束草市の章沙港イカ素手づかみ祭りも、2020年から漁獲量減少のため開催されていない。

ムン・ジヨン記者

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